Monday, May 31, 2004

困る犬(2)

ついでだから, "人間が" 困る犬としてもさんに登場してもらおう.
(すまんねーいつもネタにして.だっておもろいんだもん)

彼は素直でいいヤツだと思うんですが,自分の衝動にも素直と言おうか,ときどき場違いに力んでしまうところがあります.それを飽きもせず毎度毎度やられると, その場で絞め殺したくなる どーしたもんかとため息が出てしまいます.

例えば,トイレなどで外に出すと彼はずっと動き回ってます.
持って来い遊びなどしなくなって久しいのに,木切れやらダンボールやらを運んできてはガシガシやって見せ,半歩下がってクラウチングポーズをとってます.さすがにこちらが誘いに乗らないと諦めますが,その後,ギャロップで庭を半周し,忙しなく草を食み,りん姉にちょっかい出して睨まれたりする頃にはもう頭がリセットされてます (この間,約30秒).また別の木切れを運んできて目の前で力んで見せる.
ったくウザいのです.

田舎に引っ越してから心身の活動量がアップしたのでしょうか,彼は少し痩せたようです.そりゃマンション暮らしと較べれば多少は刺激が多いのかもしれませんが,人間から見ると 「無意味に張り切ってる」 ようにしか見えません.おかげでまたフードを増やさざるを得なくなりました.
フードと言えばこの男の食餌前の騒がしさには閉口です.準備する間,動き回って目障りなのでクレートに入れるんですが,その中から轟々と吠えてます.この声がまた身体に比例してでかい.しまいには "ワーン" と頭の中に反響しだし,もうこうなると事態を改善しようなどという気も失せ,ただ時が過ぎるのを待つだけになります.

りん姉も吠えますが,この2頭の吠え方は明らかに違います.
りん姉はいかにも口先で何かを訴えてるという感じですが,さんの場合,身体の奥から湧き起こる衝動というか,何かに憑かれたかのように力いっぱい吠えます.黙るように言っても,止めるのは一瞬だけ.もしかしたら,ヤツには吠えてるという意識さえ無いのかもしれません.

ところで,先日,とあるシープドッグ関連の雑誌に犬の目の色に関する記事がありました.その中で明るい琥珀色(amber)の目の犬は "活動的で,目の力が強く,頭の回転が速く,そして作業欲が強烈である" と書いてありました.また,他者が自分の空間に侵入することを嫌う,少数の人にだけ深い愛情を寄せるなど,繊細な神経を併せ持っているとも.この手の記事を鵜呑みにするのもどーかと思いますが,それでも読んでいくうちに笑ってしまいました.

−なんだ,これってさんのことじゃん!−

さんの目はわりと明るめの琥珀色です.
あのしつこさや騒がしさが作業欲から来てるとすれば,さんはまさしく amber eyed dog なのでしょう.家畜で試したことはありませんが目の力も強そうです.頭の回転が速い−−と思ってるのは飼い主だけかもしれませんが...

前にも書いたように,さんはまったくといっていいほど攻撃性を見せない犬です.じゃあフレンドリかというとそうでもなくて,どちらかと言えば他人や他犬にはそっけない感じです.そう言えば,たくみに距離を取って接触を避けているようにも見えます.強くしなやかな身体,強い作業欲,しつこさなどと併せて,この種の繊細さとのバランスがさんという犬のおもしろみなんでしょう.
そう思わないとやっていけません...