Saturday, August 28, 2010

人に夢中

みわファームのコリーたちは,人に向ける関心が強い.
特にカイラはそれが顕著で,クレートに入ってようが居間で寝ころがってようが,険しくも熱い視線でずっと家族を監視している.外に行くかと立ち上がりかけると,もう先回りして扉の前でジャンプしてるし,座ろうと腰を屈めると,足元にすり寄って尻尾をパタパタ振っている.
せわしないけど,うう,かーいーよお...

うん,とてもかわいい.
確かにかわいい(もうえーか)んだけど,その一方で,これって必ずしも健康な状態ではないかも,,,とも思っている.
言葉は悪いが,人に依存,あるいは中毒してると言えないだろうか.

映像に見る農場のシープドッグたちは,ちょっとでも主人の気配を感じると,嵐だろうが授乳中であろうが,すっ飛んで行って作業に協力する.そんな彼らでも,普段仕事の無いときは,納屋の隅などで気ままに暮らしている.
つまり,居場所は離れてるのに(それとも離れているからこそ?),常に人間の動きを気にかけ,わずかな気配に鋭く反応する.

ボーダーコリーには,そういう気質を良とし,そういう風にブリードされてきた面もある.
でも家庭に入った彼らは,四六時中,人間と一緒にいる.
頭の中が人間過剰になったとしても,ありえない話じゃないと思う.

みわファームでも,人と犬の距離は近い.
その上,意志の弱い人間が約一名いて,つい犬の誘いに負けてかまってしまう.
頑張って(笑)声をかけないようにしていても,手の下にマズルを押し込まれると,知らないうちに頭を撫でいる.
クレートの中で鼻が鳴れば,どうしても視線を向けてしまう.
何気なく犬に語りかけている.
・・・
これを意志の力で制御するのは難しい.
根気強さで,彼らに勝てる人間はいない.

「シープドッグは,夜,一人になってその日の仕事をじっくり反省する」という記事をどこかで読んだことがある.本当に反省するかどうかは知らないが,カイラを見ていると,一人になる時間と空間が大切だということは,実感として頷ける気がする.
それによって人間の呪縛から解放(大げさやね)され,落ち着いて頭を整理することができる.
そういう環境が,主人の指示を尊重しながらも,自立的に作業できる犬を育んできたんだろう.

私たちの社会では,犬の自立性なんて必要無い,,,ってゆーかむしろ迷惑かもしれない.
それでもやっぱり,そういう犬と暮らしてみたいと思っている.
酔狂が過ぎるだろうか?