tag:blogger.com,1999:blog-216994082024-02-20T00:29:54.937+09:00ったく、ボーダーコリーって奴は・・・まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.comBlogger53125tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-87679438785940466022010-11-21T11:55:00.004+09:002010-11-21T17:40:26.855+09:00Be Our Guestディスニーアニメの「美女と野獣」に入れ込んでたことがある.<br />仕事の関係で生活環境が激変して,いろいろ不安を抱えていた頃でもある.<br />セリフもロクにわからない英語版のビデオを,何度も何度も,ついにはテープが擦り切れて映像が壊れるまで観た.<br /><br />その中で,食器や家具に姿を変えさせられた召使たちが,捉われの身となった主人公ベルをディナーで歓待するシーンがあって,このときに流れる曲が "Be our guest" である.<br />これが,良い.<br />泣いたもんなぁ.<br />5分足らずの曲の終わりには,ベルと同じように,観客も満ち足りて元気になるようにできている.<br /><br />なんで?と考えてみた.<br />一つ思いつくのは,この曲の歌詞だ.<br />普通,ディナーの素晴らしさを歌にするんだったら,客目線で称える歌詞になると思うが,この曲は,客を迎えるのがうれしくてうれしくて仕方がない,という召使たちの気持ちを謳いあげている.<br />ベルに感情移入した観客には,それがうれしい.<br /><br />人が落ち込んだり生き難かったりする原因はいろいろあるだろうけど,その多くは,「自分はここにいる価値があるのか?」という生にまつわる根深い不安につながっている(と思う).それに一番効くのは,たぶん,慰めや激励や同情の「言葉」ではなく,あなたがいてくれてうれしいという(できれば大勢の)「感情」である.<br />"Be our guest" は,そこをピンポイントで突いてくる.<br /><br />そう言えば,ディズニー再興の3部作と言われる「リトルマーメイド」「美女と野獣」「アラジン」は,揃いも揃って,「ここは自分がいるべき世界ではない」と苦悩する若者が,試練を経て社会との関係を再構築する話である.<br />ディズニーのことだから,これは偶然というより,綿密なマーケティングの結果だろう.<br />アメリカの民も悩んでるんだねぇ...<br /><br />ところで,「あなたがいてくれてうれしい」気持ちを,言葉でなく態度で表現する名人が,うちにも5頭ほどいる.別に,犬に喜ばれたって,何か現実の問題が解決するわけではないが,ちょっとの間,彼らの歓迎を受け止めてやらないわけにはいかない.<br />特にカイたんなんか,ちったい身体を精一杯伸ばして,必死の眼差しで縋りついてくる.<br /><br />毎週毎週,ごくろうさま.<br />はいはい,わかったからもーいーよ.<br /><br />なーんて呟きながら室内に入る頃には,もう,少しだけ気持ちが軽くなっているのが,不思議.<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-42306617008158138392010-08-28T08:48:00.002+09:002010-08-28T08:55:01.048+09:00人に夢中みわファームのコリーたちは,人に向ける関心が強い.<br />特にカイラはそれが顕著で,クレートに入ってようが居間で寝ころがってようが,険しくも熱い視線でずっと家族を監視している.外に行くかと立ち上がりかけると,もう先回りして扉の前でジャンプしてるし,座ろうと腰を屈めると,足元にすり寄って尻尾をパタパタ振っている.<br />せわしないけど,うう,かーいーよお...<br /><br />うん,とてもかわいい.<br />確かにかわいい(もうえーか)んだけど,その一方で,これって必ずしも健康な状態ではないかも,,,とも思っている.<br />言葉は悪いが,人に依存,あるいは中毒してると言えないだろうか.<br /><br />映像に見る農場のシープドッグたちは,ちょっとでも主人の気配を感じると,嵐だろうが授乳中であろうが,すっ飛んで行って作業に協力する.そんな彼らでも,普段仕事の無いときは,納屋の隅などで気ままに暮らしている.<br />つまり,居場所は離れてるのに(それとも離れているからこそ?),常に人間の動きを気にかけ,わずかな気配に鋭く反応する.<br /><br />ボーダーコリーには,そういう気質を良とし,そういう風にブリードされてきた面もある.<br />でも家庭に入った彼らは,四六時中,人間と一緒にいる.<br />頭の中が人間過剰になったとしても,ありえない話じゃないと思う.<br /><br />みわファームでも,人と犬の距離は近い.<br />その上,意志の弱い人間が約一名いて,つい犬の誘いに負けてかまってしまう.<br />頑張って(笑)声をかけないようにしていても,手の下にマズルを押し込まれると,知らないうちに頭を撫でいる.<br />クレートの中で鼻が鳴れば,どうしても視線を向けてしまう.<br />何気なく犬に語りかけている.<br />・・・<br />これを意志の力で制御するのは難しい.<br />根気強さで,彼らに勝てる人間はいない.<br /><br />「シープドッグは,夜,一人になってその日の仕事をじっくり反省する」という記事をどこかで読んだことがある.本当に反省するかどうかは知らないが,カイラを見ていると,一人になる時間と空間が大切だということは,実感として頷ける気がする.<br />それによって人間の呪縛から解放(大げさやね)され,落ち着いて頭を整理することができる.<br />そういう環境が,主人の指示を尊重しながらも,自立的に作業できる犬を育んできたんだろう.<br /><br />私たちの社会では,犬の自立性なんて必要無い,,,ってゆーかむしろ迷惑かもしれない.<br />それでもやっぱり,そういう犬と暮らしてみたいと思っている.<br />酔狂が過ぎるだろうか?<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-88152621958267215642009-09-06T08:33:00.001+09:002009-09-06T08:36:04.945+09:00天使と悪魔のDNA (3)先日,たまたま肉片が一切れ余ったので,ぐれぐのフードにだけこっそり追加したことがある.犬同士は互いに見えないように仕切られてるので問題無かろうと判断したのだが,果たして誰も気づかず(あるいは気にせず),ガツガツと自分の分を平らげてくれた.<br /><br />そーそ,犬はそれでよろしいと満足して立ち去ろうとすると,目に入ってくるのがぺぐ.<br />自分のフードに見向きもせず,ぐれぐの方角の仕切り板をじっと睨んだまま固まっている.そして,わざとらしくゆ~っくりとこちらを振り向く.<br />どこでどう察したのか,ぐれぐの特別待遇を見破った上に,プチハンストで遺憾の意まで表明してみせたのだ.<br />まぁどうでもいいことかもしれないが,一事が万事そんな感じで,ちょっとずつ引っかかる.<br />とにかく,この犬は一筋縄ではいかない.<br /><br />おバカ天使のきゃすと小悪魔ぺぐ.<br />とても同じ両親から生まれたとは思えない.<br />...というのは実はウソ.<br />まさに血のつながりとしか言いようのない,しっかりと共通する何かがある.<br />もちろん濃淡はあるが,特に家族や動物に向ける態度にそれを感じる.<br />それを言葉にするのは難しい(てゆーか,迂闊にはしたくない)が,まさしく私たちが望んだものを両親から引き継いでくれている.<br /><br />だから今,,,意思の弱い男はノーガードで打たれっぱなしである.<br />せっかくの居住ルールも風前の灯だ.<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-34059692797164461302009-09-06T08:30:00.002+09:002009-09-06T08:32:55.380+09:00天使と悪魔のDNA (2)さて,頭数が多いとどうなるかというと,必然的に,一頭一頭にかける時間は短くなる.<br />食餌は同じものを一斉に出すだけだし,トイレはまとめて裏庭に放流して,頃合を見てばーっと回収する.<br />自主性と協調性を育むためとか,地震の災害訓練を兼ねてとか理由はいろいろだが,基本的には面倒だからだ.<br /><br />こういうときは一々余計なことを考えず,流れに従ってくれる犬が素敵だ.<br />例えばきゃす.<br />彼女は一応,娘の犬ということになっているが,クラブで忙しく思いの他薄情な主人からは何も教えてもらっていない.だから呼びのコマンド一つ知らないのに,周りの犬がだーっと駆け寄ってくると,あわててみんなに付いてきて,そのままだーっとケージになだれ込んでくれる.<br />たまに,入り口を閉められてから「えっ!?私,ハウスしちゃったの?」てな顔をしてるが,フフフもう遅いのだよ,おバカちゃん.<br /><br />これと真逆路線を行くのが同胎犬のぺぐ.<br />他犬と駆けてくるまでは一緒だが,部屋に上がる直前で立ち止まり,そして考える・・・「このままみんなに付いていくと,私の運命はどうなるんだろうか?」<br />片腹痛い.<br />あるいは,途中から一人だけコースを逸れ,物置の裏に潜り込んでウツボになる.そうやって時間稼ぎしながら,あわよくば遊びに引きずり込もうという魂胆なのだ.<br />いつも決まってそうなら,対処の仕方はいくらもあるのだが,これがある日を境に急に態度を改めたりするもんだから,事はそう単純じゃない.<br /><br /><br />つづく<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-62669635563484073592009-09-06T08:25:00.004+09:002009-09-07T12:13:49.086+09:00天使と悪魔のDNA (1)10年前には想像もしなかったことだが,今,5頭のコリーと同居している.<br />室内飼いなので,一つ屋根の下に犬5頭と人間2.2人が棲息しているわけだ(週末の男=0.2).<br /><br />そう書くといかにもだらけた感じだが,居場所には一応のルールがあって,居間やキッチンは人間の占有スペースということになっている.<br />ただし家主の性格そのままに運用はユルい.せいぜい,「ここは人間の領分なんだから,ちょっとはわきまえなさいよ」くらいな感じ.<br /><br />特例として,最年長であるさん=アニキは居間での寝起きが許されている.<br />別に身体の調子が悪いとか,隠居させたというわけじゃない.土間に放置しておくと緩慢に家が壊れていくからである.<br />この待遇を彼がどう思ってるかは知らないが,日がな一日,Hiroの足元やソファで寝そべっている.<br /><br />カイラは特技の人たらしの術(遠くからウル眼で見つめて耳をピコピコさせるとか,足の甲に乗って後頭部を脛にくっ付けるとか,膝の上によじ登ってヘソ天で鼻鳴らすとか)を駆使して,いつのまにか侵入していることが多い.<br />何とかケジメは付けたいが,この攻撃に百戦百敗の意志の弱い人間が約0.2名いて,すぐに居間に上げてしまう.<br />まぁこの世には,人の力ではどうしようもないこともある.<br /><br />つづく<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-68926130508177424862009-01-28T19:34:00.001+09:002009-01-28T19:36:41.433+09:00町内犬地図 (4)最近は本当に野良犬や放し飼いの犬を見なくなった.<br />ファームのある田舎でさえ,犬たちはもれなく繋がれている.<br />先日,たまたまリードが外れて,田舎道をブラついている犬を見かけた.<br />何だか激しく懐かしい気がした.<br />そして自分でもびっくりしたことに,知らず知らずのうちに右手が胸ポケットを探っていたのである.<br /><br /><br />最後に,悪い癖ですが「替え文」を一つ(これがやりたかっただけだったりして).<br /><br />***<br /> ボーダーコリーの問題は「きりがない」ことだ。<br /> ボーダーコリーは確かに、お座敷犬やショードッグに比べれば品のない犬だが、逆にいえば、この犬はイヤというほど汚れることによってはじめて犬たり得る犬だ。こっちの身体が痛くならないと作業した気にならないのだ。ボーダーコリーにほどほどはない。やり足りないか、やり過ぎるかのどちらかなのだ。<br /> しかもボーダーコリーは、自宅の室内はもちろん、庭でも公園でも車の中でも、旅行や買い物や仕事にも、着いてくる。ボーダーコリーは私が行くあらゆる場所に、あまねく存在し、私に向かって、<br />「さぁ遊びますよ」<br />と呼びかけることをやめない。<br />「勝手に遊んでやがれ」<br />と、思うときもあるが、そうやって一途に私を見つめて待ってくれているものを、拒み続けることができるだろうか。<br /> 救いのない話ですまない。そう。お察しの通り私はやつらを無視しながらこれを書いている。本当にうざい。<br />***<br /><br />おわり<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-81534135685446784722009-01-28T19:30:00.002+09:002009-01-28T19:34:15.830+09:00町内犬地図 (3)話がずれた.<br />とにかくその頃には町のあちこちに親交のある犬がいて,彼らと挨拶を交わすことが日課だった.<br />そのおかげで,幼なかったまろ少年は,随分と気分的に救われていた気がする.<br /><br />子供は気楽で良いと言う人もいるが,そんなこともないと思う.<br />大体子供なんて,勉強とか行儀とか,つまらないことばかりさせられている.ほんとうに怒ったり喜んだりできるのは(つまり本当に物事を楽しめるのは),年を重ねていろんなことが見え始めてからだ.<br />そのくせ,生きることへの不安とか混乱は,大人と同じか,むしろそれ以上に感じている.実際,子供は庇護されないと生きていけないんだし,知識や経験を使って,わけのわからない不安から目を逸らす術も知らない.何より,言葉を操ってその不安や混乱を人にパスすることができない.<br /><br />皆ではないにしろ,そんな子供にとって,街のあちこちに知り合いがいるというのは,実はとてもありがたいことではなかったかと思う.<br />少なくとも自分はそうだった.<br />飼い犬も含めて,彼らは決して幸せには見えなかった.幸せどころか,生きるか死ぬかの瀬戸際というようなのも少なくなかった.そんな彼らが,それぞれの厳しい生活を背負ったまま,うれしげな顔で,たまに出会うだけの少年に親しみと礼儀を示してくれるのである.<br />たまたま,特に気の良い2,3頭に出会えただけで,その日一日,町や社会に受け入れられた感じがすることもあった.<br />大人にとって取るに足らないことかも知れないが,そんなことを経験できる機会は,多ければ多い方がよいと思うのである.<br /><br />(4)に続く<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-17068200757814037892009-01-28T19:18:00.002+09:002009-01-28T19:30:16.000+09:00町内犬地図 (2)自分を振り返ると,物心ついてから今日まで,大体において犬は好きだったけれど,ピークは小学校3年の頃だったと思う.その頃は,頭の中に「犬地図」があった.その地図には,町内のどの家に犬がいるかだけでなく,どこの犬は人懐っこいとか,どこの犬は冷たいとか,そして大事なポイントとして(その家の人から怒られるか否かを含めて)どこの犬が外から触れるか,といったことが,きめ細かく書き込まれていた.<br /><br />飼い犬だけじゃなく,野良犬に会える場所にも詳しかった.お宮さんとか原っぱとか壊れかけの空き家とか,当時はそんな「野良犬スポット」が結構あった.<br />そして,学校に行きたくなくて家でぐずぐずしていると,犬地図のいたるところから知り合いが顔を出し,そいつらが一斉に「○○君,つまんないよぅ」と語りかけてくるのである.おかげで遅れずに家を出ることができた.ただ,あちこちの犬に挨拶しながら歩くので,やっぱり遅刻してしまうのだけれど.<br /><br />前にも一度書いたことがあるが,外に出かけるときにはいつも,上着の胸ポケットに一握りのだしジャコを入れていた.知り合いへの挨拶だけでなく,警戒心の強い犬や愛想の悪い犬を手なずけるのに使った.たまに自分のおやつになることもあったけど.<br /><br />たまに,そのジャコが胸ポッケに残ってるのを忘れたまま,服を洗濯に出してしまうときがあった.<br />知らないでしょう!?...洗濯機の中のジャコの怖ろしさをっ!<br />たった2,3尾の身とウロコが水流でほぐれ,幾千の断片となって浮遊し,洗濯物に付着するのである.<br />最初のうち,母は洗濯物に着いたキラキラが何かわからなかったらしい.やがてその正体が判明すると,どちらかというと温厚だった母もさすがにブチ切れた.後始末の大変さくらいはわかったので,申し訳ない気持ちで一杯だった.<br />ただ,その癖はなかなか直せなくて,中学生になっても同じことを仕出かしたことがあった.そのときはキラキラしたままの制服を渡されただけで,何も文句は言われなかった.<br />母はきっと,,,情けなかったのだろう.<br /><br />(3)に続く<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1903813670739134582009-01-28T19:14:00.001+09:002009-01-28T19:18:37.641+09:00町内犬地図 (1)話のきっかけに,アル中歴のあるコラムニスト小田嶋隆氏の一文をお借りする(さすがプロ,ビール片手にこんな文章が書けるとわ).<br /><br />***<br /><em> ビールの問題は「きりがない」ことだ。<br /> ビールは確かにウイスキーや日本酒に比べればアルコール度数の低い酒だが、逆にいえば、この酒は浴びるほど飲むことによってはじめて酒たり得る酒だ。頭が痛くならないと飲んだ気がしないのだ。ビールに適量はない。飲み足りないか、飲み過ぎるかのどちらかなのだ。<br /> しかもビールは、自宅の冷蔵庫にはもちろん、自販機にも喫茶店にも映画館にも、ドライブインやそばやにも、ある。ビールは私が行くあらゆる場所に、あまねく存在し、私に向かって、<br />「冷えてますよ」<br />と呼びかけることをやめない。<br />「勝手に冷えてやがれ」<br />と、思うときもあるが、せっかく私のためにそうやって冷えてくれているものを、拒み続けることができるだろうか。<br /> まとまりのない話ですまない。そう。お察しの通り私はビールを飲みながらこれを書いている。本当にすまない。</em><br />***<br /><br />なるほど酒好きには世の中ってそんな風に見えてたのか.<br />まろはからっきしの下戸だからビールたちは一向に呼びかけてくれないが,"ビール" を "犬" に置き換えれば,その感じだけはわかるような気がする.<br /><br />(2)に続く<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-17066578828132758172007-10-30T21:01:00.000+09:002007-10-30T21:04:50.298+09:00じぇち子とカイ坊 (3)こんな風に,人への接し方が正反対のじぇちとカイ.<br /><br />なのにこの2頭の印象はとても良く似ている.<br />どこがって言葉にはしにくいけれど,多分,人に対する思い入れとゆーか,意識の仕方とゆーか,とにかくそんなところに余分な力が入ってる感じ.<br />それがまっすぐ表に出るか,一回ひねって出るかの違いはあるけれど.<br /><br />そしてはっきり共通してるのが,,,抗いがたい魅力.<br />2頭を眺めていると,のど元に迫り上がる愛おしさで身体が火照ってくる.<br />そして自分の中ではすでに確信めいたものまであるが,これがボーダーコリーなんじゃないだろうか?<br /><br />人に対する意識の過剰さ.<br />自分に関心を惹きつけるための悪魔のような勘と人たらしの技.<br />とにかく人と絡んでいたいという欲望.<br />ともすれば作業能力や頭の良さに隠れてしまうけれど,何百年もファーマーたちの心を捉えてきたのは,実はここなんじゃないかと思う.<br /><br />もちろん彼らの魅力は,仕事ができてタフで賢いところ...だろう.<br />でもそれだけで身勝手でジコチューな人間様が,何世代にも渡って,しかも何頭も傍に置いておくとは思えない.<br />いや,そうかもしれないけどそうは思いたくない.<br /><br />いくらできるったって所詮は犬だ.<br />思い通りに作業してくれるわけじゃないし,うるさいし,汚いし,餌も食らえば糞もする.<br />だからそれ以前に,彼らはこの犬たちが大好きだったのに違いない.<br />「仕事に役立つ」なんてのは,ちょっとした口実なんじゃないのかな.<br /><br />--<br /><br />じぇちとカイのもう一つ共通点,それは持って生まれた家畜に対する集中力である.<br />羊や鴨を目前にすると,2人とも気持ちの高まりで身体が震えてくる.<br />言ってみればこれは,家畜に対する "過剰な意識" だろう.<br />偏執的と言ってもいいかも.<br />そしてこれが,どこかで人に対するそれと繋がっているような気がする.<br /><br />うん,きっとそうだよ.<br /><br />本能や性格で一括りにできる部分とはちょっぴりずれた辺りで,この希少で加減の難しい気質が大事に育まれてきたに違いない.<br />何百回も何千回も方向修正しながら.<br />家畜追いの能力を追求することが,同時に,この愛すべき性質を護りながら育てることになったのだろう.<br /><br />だからきっと,ハーディングが必要なんだ.<br />昔ながらの牧畜が廃れてしまった今でもね.<br />この子たちがいつまでもボーダーコリーであるために,そして私たちを魅了する犬であり続けるために...まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-7242991278735358222007-10-30T20:58:00.001+09:002007-10-30T21:01:20.681+09:00じぇち子とカイ坊(2)一方,風のようにファームにやってきて,未だに風のように駆け回っているカイラ.<br />この娘の距離はじぇちと対照的である.<br /><br />バックヤードに出してフリーにすると,30秒に一回駆け戻ってきて泥まみれの手でタッチしないと気がすまない.<br />部屋の中では,後頭部をぐりぐり押し付けながら人の膝によじ登ってくる(膝上から他の犬を見下ろすのがお気に入りみたい).<br />ファームのメンバーと初対面したときなんか,いきなり膝の間に割って入ってきて喜ばせてくれた.<br /><br />カイはためらい無しに人に来る.<br />嘘のばれた子供のように頭を垂れトボトボ歩くじぇちとは対照的だ.<br />こちらの目を見据えながら,弾むように最短距離を駆けてくる.<br />そのまま,群メンバーを押しのけるようにして身体を押しつける.<br /><br />臆面も無く人に甘える様を見せつけられ,修行の足りない男たちは動揺を隠せない.<br />年若いぐはまぁ仕方ないとして,年長のサンまでが目をうるうるさせて膝に乗ろうとしてくるのはいかがなものか(悪いけどおまえはダメ.いや,嫌とかそーゆんじゃなくて物理的に無理だから).<br /><br />そう言えばカイが来た頃から,男2頭の関係がどことなくギスギスしている気がする.<br />情けない...<br /><br /><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhH8cI1kZU51GdKiqEv6hMPmkQnvell_g-sTY0Hd4qo_D2qZHNVLK3VQOAqhP9bkexyJRGoKUt_8r4thJPXvsJ2AB2eBCDLL3WlCKxMHUrvHA_mBlb_YMHvg-VxzHyfug5JIoBz/s1600-h/caoire07.jpg"><img style="float:right; margin:0 0 10px 10px;cursor:pointer; cursor:hand;" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhH8cI1kZU51GdKiqEv6hMPmkQnvell_g-sTY0Hd4qo_D2qZHNVLK3VQOAqhP9bkexyJRGoKUt_8r4thJPXvsJ2AB2eBCDLL3WlCKxMHUrvHA_mBlb_YMHvg-VxzHyfug5JIoBz/s320/caoire07.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5127098011134995106" /></a>まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-62663402114770959112007-10-30T20:54:00.000+09:002007-10-30T20:58:09.841+09:00じぇち子とカイ坊(1)<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgpqWkRzHEkNYCzNsAIn0uIViXFhH_SxmiCjhlXd7FHsD2pdkkYTYwJGIlNMPVCK162j2-LYba5nZ6Y6fFHDf-hsyAxA6EOXM1ol5qO_SodTKLpD6hYrlpu9D6FVEKEV9vb_eXO/s1600-h/lovelygirl.jpg"><img style="float:right; margin:0 0 10px 10px;cursor:pointer; cursor:hand;" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgpqWkRzHEkNYCzNsAIn0uIViXFhH_SxmiCjhlXd7FHsD2pdkkYTYwJGIlNMPVCK162j2-LYba5nZ6Y6fFHDf-hsyAxA6EOXM1ol5qO_SodTKLpD6hYrlpu9D6FVEKEV9vb_eXO/s320/lovelygirl.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5127097182206306962" /></a><br />じぇちのことは,もうあちこちで書いてきた.<br />どうも彼女のことを考えると心乱れるようで,どの文章も壊れている.<br /><br />--<br /><em>思えば初対面のときから,彼女にはどこか幸薄いイメージがあった.<br />フォークリフトが走り回る空港の貨物置き場に置かれた犬用ケージ.<br />その一番奥からこちらを窺う目つきには,子犬らしいオープンな無邪気さはなかった.<br /><br />同じ一つ屋根の下に暮らしながら,できれば一人にしておいて私のことは放っておいてと,居間に集ったメンバーを土間の隅から上目使いで見ていたころが懐かしい.<br /><br />こいつははっきり言って悪い.<br />それも "ぐ" のような可愛げのあるヤンチャではなくて,そーだなー,むしろ腹黒いという感じ?<br /><br />ナメたお腹の 出し方で あなたのウソが わかるのよ~♪<br /><br />でも・・・でもさ・・・,じぇちはカワイイのよ.<br />いくら裏切られても,いくら翻弄されてもね.<br /><br />こんなこと書き残すと後で恥ずかしくなって悶え苦しむのが目に見えているのだが,,,そんなじぇすがどーにもこーにも可愛いくて仕方ないのである.</em><br />--<br /><br />嗚呼みっともなし.<br />でも本当に彼女は憎めない.<br />人の言うことなんかキッパリ無視する不良娘なのに.<br /><br />感じが伝わるかどうかわからないけれど,彼女は人との距離のとり方が独特である.<br /><br />家の中でもそれとなく離れていて...寄ってきた時に手を伸ばすとスッと避け...撫でたら迷惑そうなのに背を向けるとひゃんひゃん文句を垂れ...寝ている人の腹の上をずかずか歩き...おやつをねだる時はずーずーしくアゴを乗っけて...何を考えているのかサッパリわからない(多分,何も考えてないのだろう).<br /><br />人のことを気にしてるくせに無関心を装ったり,そっけなくしたり,ときに「ずるく」振舞う.<br />こんな押したり引いたりの攻撃に,おじさんはあえなく陥落するのです.まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-28802469137845884822007-05-14T20:36:00.000+09:002007-05-16T18:15:31.583+09:00春の風日曜夜11時.<br /><div>慣れない部活に疲れた娘が早々に寝室に引き上げ,昼間のゲストの応対に疲れた犬たちはクレートに入って眠りこんでいる.</div><div>同じくゲスト応対...とゆーかビールの後に羊を追い掛け回して気持ち悪くなったHiroさんは呆然としている.</div><div>本当だったら物音一つしないはずの居間に,隅のクレートからごご,ずご,ごごご,というおっさん臭い音が響いてくる.</div><div>一ヶ月ほど前から加わった新入りの<strong>イビキ</strong>である.</div><div><br />というわけで紹介します.</div><div>カイラ(Caoire)という7ヶ月齢の子犬.</div><div>いつもは犬のことなんか何にも言わず愛想もクソもないブリーダーが,珍しく雄弁に "she is small but tough" と一言書いて寄こしたとおりの鉄砲玉のような娘である.</div><div>先住犬たちにもまったく物怖じせず,全身を「?」にして何にでも鼻を突っ込み,眠るとき以外は決して止まらず,機を見て飼い主の懐に飛び込んでくる,ひじょーに子犬らしい子犬.<br /></div><br /><div>顔は...大変申し訳ないが...ぶちゃいく.</div><div>この若さにしてすでにこすっからい悪党顔だ.</div><div>でも誰かさんと違って,視線をまっすぐこちらに向けてくれるからうれしい.<br /></div><br /><div>意図したわけではないが,結果的にはりん姉と入れ替わるような形になった.</div><div>その他にも身の回りのいろんなことが重なり,いよいよファーム暮らしの第2フェーズが始まるんだろうという予感とともに飛び込んできた新しい風.</div><div>爽やかな涼風じゃなく,黄ばんで生暖かい風だったけど.<br /></div><br /><div></div><div>ところで,鉄砲玉がファームで最初に心を奪われたのが...ぐび穴.</div><div>オリジナル版は制作者の気質そのままにダラダラと広がっていったが,彼女はあくまで地球の中心に向かって鋭く掘り下げていく.</div><div>そう言えば彼女の行動のすべてがそんな感じ.</div><div>無尽蔵の集中力と体力が,小さな身体に詰まっている(と良いなぁ).<br /></div><br /><div>部屋に入れようと声をかけると,穴から上げた鼻面(というか穴から引っこ抜いた頭全体)にべったりこびりついた泥がまぶしい.</div><div>「乾くまで入るなっ!」って,子犬のうちから締め出される犬も珍しいよな.<br /> </div><br /><div><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhRUfN57NELeu80hD1KudEh1QSyb1K50RPcJU555KQbwI_AfSQZAkQlz-PyU2gO-Mpbhctvxg4PYUx1drvplWNqgNC2WeRSsQ-MRjPWDGQSK2yIqyZ7774oxCkUzI9pv7h_qloA/s1600-h/caoire05.jpg"><img id="BLOGGER_PHOTO_ID_5064380416184197218" style="FLOAT: left; MARGIN: 0px 10px 10px 0px; CURSOR: hand" alt="" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhRUfN57NELeu80hD1KudEh1QSyb1K50RPcJU555KQbwI_AfSQZAkQlz-PyU2gO-Mpbhctvxg4PYUx1drvplWNqgNC2WeRSsQ-MRjPWDGQSK2yIqyZ7774oxCkUzI9pv7h_qloA/s320/caoire05.jpg" border="0" /></a></div>まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-5985528513212746422007-03-21T14:30:00.000+09:002007-04-25T19:11:20.048+09:00三角関係彼のために断っておくと,さん=アニキは "良いヤツ" なのです.<br /><br />人には忠実だし,他犬には威張らないし,身体はごついけれど家の中ではどちらかというと身を縮めるようにして生きている.<br />見知らぬ客犬にも一番親切だ.<br />作業のときは誰よりも一生懸命だし,何事にも真面目に取り組むし,力持ちだし,おまけに人のことが大好きで声をかけてもらえるのを心待ちにしている.<br />変なユーモアまであって,食餌の後にヤケにうるさいと思ったら,クレートの外に飛んだたった一つの飯粒に向かって全身を矢印にして吼えていたりする.<br /><br />こうやって並べてくと,ほらね,彼って良いヤツでしょ?<br />でも一緒に暮らしてると,そこはかとなく暑苦しいとゆーか,ときどき存在自体が疎ましくなるとゆーか.<br />何なんだろーな,これって.<br />気の毒よなぁとは思いつつも,身体を擦りつけて甘えようとする彼に対しては,つい「あっち行ってろ」と邪険にしてしまう.<br />すると,ここがまたいかにも彼らしいのだが,教えたわけでもないのにいつのまにかそれをコマンドと解釈していて,器用にもその場からざざざざざっと後ずさりしてみせ,真面目くさった顔で次の指示を待っている.<br /><br />それがうぜぇっつーんだよてめーは!!<br />...こほっ...失礼.<br /><br />一方,じぇち.<br />こいつははっきり言って<strong>悪い</strong>.<br />それも "ぐ" のような可愛げのあるヤンチャではなくて,そーだなー,むしろ腹黒いという感じ?<br />大体,こっちの言うことなんか聞いちゃいないし,牧場内でフリーになると捕まるもんかと逃げ回るし,いけないとわかってるのに目を盗んで(てゆーかほとんど開き直って)ウンチ食いを強行する.<br />真正面から目を覗き込んでくるりん姉やアニキと違って,横目&上目使いでチラリチラリとこちらの顔色を伺う.<br />彼女には声を荒げたことすら無いのだから,何か後ろめたいことでもあるのか!と問い詰めたくなる私を誰が非難できましょう.<br />ただいつもコソコソしてるのかと言えばそーではなく,寝ている人の上を平気でスタスタ歩いていったり,自然体でテーブルの上に飛び乗ったり,はぁぁ?っつーくらい図太いところもある.<br />彼女には翻弄されっぱなしである.<br /><br />でも・・・でもさ・・・,じぇちはカワイイのよ.<br />いくら裏切られても,いくら翻弄されてもね.<br /><br />普段はなかなか寄って来てくれないから,彼女にはついやさしい声で「いいから,こっちおいでよ」と声をかけてしまう.(さんアニィと対照的やね)<br />上目使いでやって来る彼女をつかまえて気持ちを込めて撫でる.<br />でも,せっかく来てもすぐに放免してしまうんだな.<br />だって「ヤだなー,もういーかなー,用事があるんだけどなー」と顔を背けて微妙に身体を硬くする彼女を見ていると,自分が借金のカタにさらった貧乏娘をいたぶるヒヒ爺みたいに思えてくるから...<br /><br />そんな彼女ですが,たま~に(ほんとにたまに)ピトッと身体をつけて甘えてくる.<br />オジサンただもうそれだけで嬉しくて,身体ぐにゃぐにゃの何でも大目に見てやろーじゃねーか星人に変身してしまうのでした.<br /><br />そこで格言: この世には2種類の犬がいる.得な犬と損な犬である.<br /><br />P.S.<br />ところで,そんなじぇちが気を許して一番信頼してるのがさんなのです.<br />教えてくれ,あんな男のどこがいーんだ!?まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1167739881045964362007-01-02T21:08:00.000+09:002007-03-21T15:00:41.915+09:00ぐびちとぐび穴のあやしい関係どうも~,ぐれぐです.<br />よろしくな.<br /><br />この冬はあったかいなんてゆだんしてたら,さすがに寒くなったね.<br />きのうなんか,せなかにぞくっときたと思ったら土間でちびっちまったよ.<br />いつもはがまんできるのに,ざまーないね.<br /><br />オレは,寒いからといって部屋でゴロゴロなんかしない.<br />やること一杯なんだから.<br />ごはん食べたり,ウンチ出したり,外で走ったり,部屋で遊んだり,出かける家ぞくを見おくったり,客を迎えたり,そんなのだけでも大変なのに,たまにはニワトリにカツ入れなきゃいけないし,ネズミの匂いをとったり,外の見張りもこなさなきゃいけない.<br />そうやって数えてくと,1日ってすごくたくさんのことがつまってるんだけど,それがふと気がつくと何日も何十日も何百日もすぎちゃってたりする.<br />なんかだまされたような気がするけど,ま,世の中,そういうもんかもね.<br /><br />2かいに住んでたまっしろい猫や,ケンカっぱやいガングロ羊たちがいなくなって,そのかわり,がーがーしゅーしゅーうるさい鳥がいたりして,いつのまにかファームのメンツが替わってる.<br />オレをけっ飛ばしやがったアホ面のにしきだけは,あいかわらず,ず~っと草を食みつづけてるけど.<br /><br />そーいや,にしきにけっ飛ばされたオレはからだも小さかったし,ジャンプも低かったし,おしっこの回数も多かった(と思う).<br />このオレとはぜんぜん違う.<br />あれだけこわかったりん姐さんも,気がつけばオレよりチビになってる.<br />なんとゆーか,なんだかかわいく思えちゃったりするんだよね,わるいけど.<br /><br />そんなことを考えだすと,あたまがグルグルしてくる.<br /><br />つまり,オレがオレだと思っているオレは,ほんとにオレだったんだろーか?ってね.<br />もしかしたらそいつは,オレよりからだがちっこくて,ジャンプが下手で,おしっこの近い別のオレだったのかもしれない.<br />まっしろな猫がいるファームと,まっしろな猫がいないくて変な鳥がいるファームって,同じものなんだろうかそれとも別なんだろうか...<br />オレが両方のファームにいるんだから同じかな...ってそうか,そのオレとこのオレは違ってるかもしれないんだから,それはわからないのか...<br />う~ん???<br /><br />思いきって聞いてみたら,オヤジはこう言った.<br /><br />「それはさーぐれぐ,きっと "とき" のせいだよ」<br /><br />とき? なんだそりゃ?<br />それってどこにあるんだ? 食えるのか? 匂いは?<br />いきおいこんで質問すると 「犬には "とき" はわからんのだ」 と言ってにげるんだけど,オレは,オヤジが困ったようなあせったような表情をするのを見逃さなかった.<br />そうか,それはきっととてもだいじなもので,どこかに隠してあるにちがいない...<br /><br />だからオレは庭を掘る.<br />前あしで,ばっばっばっばっばっばっばっばっばっばってね.<br />それ見てオヤジはやっぱり困ったような顔をするから,たぶん "アタリ" だ.<br />きっと何か隠してる.<br />ほらもう少し,ばっばっばっばっばっばっばっばっばっばっ...<br />穴はすごくでかくなって,オレのからだがすっぽり入るくらいになった.<br />そのうち,前あしがいたくなって舌がでろんと出ちゃうけど,あたまがグルグルするよりはずっと気分がいい.<br /><br />そういえば,穴ぼこってたしかにそこにあるんだけど,見ることもさわることもできない.<br />知ってたか?<br />もしかしたら "とき" ってこの穴ぼこみたいなものかもしれない.<br />そうだ,これをどんどん大きくしていったら,"とき" がどんなもんかわかるかもしれない.<br /><br />よーし,もっともっと掘るぞー.<br />忙しいから,またな.まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1166697612210804512006-12-21T19:37:00.000+09:002006-12-29T12:02:35.136+09:00じぇちの一分田舎娘が3回目の誕生日を迎えた.<br /><br />同じ一つ屋根の下に暮らしながら,できれば一人にしておいて私のことは放っておいてと,居間に集ったメンバーを土間の隅から上目使いで見ていたころが懐かしい.(...って,ついこの前のことだけど)<br />そんな彼女もようやく,ほんとにようやく,みんなと一緒にくつろげるようになった.<br /><br />思えば初対面のときから,彼女にはどこか幸薄いイメージがあった.<br />フォークリフトが走り回る空港の貨物置き場に置かれた犬用ケージ.<br />その一番奥からこちらを窺う目つきには,子犬らしいオープンな無邪気さはなかった.<br /><br />もちろん犬それぞれの性格にもよるのだろうが,長い時間を一人ぼっちで輸送されることは,幼犬の心には大きすぎる負担なのかもしれない.<br />街のマンションからファームののんびりした環境に移ってからも,あまり人に寄りつこうとしない頑なな態度はなかなか変らなかった.(理由はわからないけれど)<br /><br />今,彼女はソファに腰掛けテレビを見ているHiroさんの横にぺったりとはり付いている.<br />身体を撫でられながら,穏やかに目を細めてウツラウツラしている.<br />大進歩だね.<br />そんなのフツーじゃんと笑われそうですけど,そのフツーのことができるようになるまで,彼女には長い長い時間が必要だったのです.どうか褒めてやってください.<br /><br />ただHiroさんへの態度は随分と軟化したけど,週毎にしか会わない私に対してはまだぎこちなさが見え隠れする.<br />もちろん,顔を見れば歓迎してくれるし,足元に倒れこんでヘソ天になったり,撫でてよとばかりに頭を擦りつけてくることだってある.<br />しかしそれは,見知らぬ客に対しても同じだし,リラックスするというのとはまたちょっと違う.<br />どこか身体にチカラが入っているというか,ざーとらしいというのか.<br />「心まで許したわけじゃないんだからね」...ま,どーせそんなところかな.<br /><br />ひょっとしたら,それが彼女流のケジメなのかもしれない.<br />ほんとに不器用な娘ですから.<br />あと何年かすれば,ぐれぐのように屈託なく甘えられるようになるんだろうか?<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1157720053963261542006-09-08T21:50:00.000+09:002006-09-11T13:16:50.263+09:00問題でないこと一人ソファで寛いでいるりん姉.<br />その50cmくらい後ろから身を屈めながらジリジリ忍び寄るぐれぐ.<br /><br />りん姉の尻尾の辺り,彼女が所有を主張してるのかどうか何ともビミョーな位置に,おもちゃ用の骨が落ちている.<br />ぐれぐはその骨の奪取に挑んだのである.<br /><br />あと10cm...<br />ぐの企みに気づき,身体を硬くして警戒するりん.<br />うっすらと口を開け,りんを凝視したまま首だけを伸ばしていくぐれぐ.(あんたは亀か?)<br /><br />「姐さんには他意はござんせん! あっしはこの骨だけ拝借したいんでっ!」<br />必死のボディランゲージが通じたのか,首尾よく骨の持ち出しに成功する.<br /><br />...以上,ぐれぐの 「りん姉を地雷に見立てた肝試し」 遊びでした.<br /><br />--<br /><br />2006年9月現在,ファームの犬の構成は,<br /> りん姉(熟年,女),<br /> アニキ(壮年,男),<br /> じぇち(若年,女),<br /> ぐれぐ(少年).<br /><br />この中にあって,りん姉の立場は微妙だ.<br />最古参でありながら体格や体力は他の3頭に較ぶべくもない.<br />マンション暮し時代は何をやるにも彼女が主役だったが,ファームではほとんど仕事の順番は回ってこない.<br />家畜を見かけるとヒャンヒャン吼えて突進し,それで相手がビビらなければあとは無関心を装うしかない彼女は,いわゆる "弱い犬" なのだろう.<br /><br />そういう犬は大抵そうだと思うのだが,他の犬に対して心が狭い.<br />他犬が近寄ってくると,カツカツ歯を鳴らしたりガウッたりして威嚇してしまう.<br />それで相手が引かなければ諍いに発展することもある.<br /><br />彼女がそんな "jerkyな" 動きを多用するのは,私たちの責任かもしれない.<br />りんを迎えて何もかもが試行錯誤だった頃(今もそうだけど),しつけの中で私たち自身がそういう動きを使ってしまったからだ.<br />もちろん持って生まれた気質もあるだろうが,教えなくてもいいことを教えてしまったのは確かだ.<br />申し訳ないと思っている・・・って違う違う,そんなこと書きたかったんじゃない.<br /><br />普通,そういう性格のメンバーが群の中でどう扱われるか? <br />人間的な感覚だと,バッシングされたり避けられたり邪険にされたり,何かと窮屈な立場になりそうなものだが,実際はそうではない.<br />これはHiroさんに指摘されてなるほどそうかもねぇと思ったのだけれど,どうやら彼女は他の3頭から好かれてるらしいのである.<br /><br />いつも退屈しているぐれぐは,わざわざ危険を冒してまで彼女の気を惹こうとする.<br />不器用なじぇちは適度な距離を置くことで,ガタイのでかいアニキは独特の度量を示すことで,彼女を含めたメンバー全体のバランスをとってくれている(ようだ).<br />そんな中でりん姉は, 「口うるさいが周りから愛されている偏屈なおばちゃん」 的なキャラを存分に発揮しながら,ノンシャランと日々を送っている.<br />そういえば最近はカツカツの頻度も随分と減った.<br />彼女は彼女なりに他の3頭を尊重しているのだろう.<br /><br />家畜追いが難しい彼女にどんな役割を与えれば良いか,正直私たちに良いアイデアはない.<br />「力関係」 とか 「群の順位」 などという問題もあるかもしれない.<br />しかし人間がそんな賢しらな心配をする前に,犬たちは彼女に居心地の良いポジションをちゃんと用意してくれている.<br /><br />私たちは犬の "問題" にはすぐに目がいくけれど, "問題でないこと" にはなかなか気がつかない.<br />そんなことがまだまだ一杯あるような気がする.<br /> まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1149255779095056772006-06-02T22:38:00.000+09:002006-06-09T10:59:11.323+09:00魔法の杖昔,山の中をりんとさんを連れて散策していたとき,それまではしゃぎまくっていたさんが突然,山道にうずくまってしまったことがある.<br />頭を下げ耳を倒し,尻尾を腹の方まで巻き込んで凹んでいる.<br /><br />一瞬わけがわからなかったが,そういえばその直前,拾った木の枝を振り回して,ノックみたく小石を打っていたことを思い出した(まるで子供やね).<br />さんがそういう状況を極端に嫌がることを知ったのはそのときである.<br /><br />彼が犬や人や物音に対して物怖じしない性格であることはすでに過去のエッセイに書いた.<br />ずーずーしい(あるいは自分の欲求に正直)と言えましょう.<br />しかし,人間が振り回す棒や道具には敏感である.<br />はっきり言って怖がっている.<br />ファームの放牧地で杭打ちをしていたとき,遠く何十メートルも離れた裏庭で,人知れず這いつくばっているさんが豆粒のように見えた・・・なんてこともあった.<br /><br />彼は生まれてこの方,棒で攻撃されたことは無い(はずである).<br />だから,この感覚は生まれつきとしか思えない.<br />繰り返すが,彼は人や物音を特に警戒することはないし,もちろん落ちている棒を怖がることも無い.<br />ただ,人が棒を持って振り回すと怖いのだ.<br /><br />そう言えば,ファームの家畜たちにも棒の力は大きい.<br /><br />秩序とか遠慮とか謙譲などという言葉とはまったく無縁の世界に生きているアナーキーなニワトリたち.<br />夕方,放牧地に散開して虫を見つけてはキャーキャー騒いでいるヤツらを回収するのは一苦労だ.<br />後ろから追おうとしても,すぐに方向を変えてしまう(彼らは逃げようとしてるだけだから,当たり前だが).<br />ところが,娘が "魔法の杖" と名づけた竹の棒をゆるゆると使うと,非常にうまくコントロールできる.<br />リードで引っ張ると力ずくで抵抗し,後ろから追うと好き勝手な方向にジャンプして手を焼かせるヤギどんも,同じ魔法の杖でスムーズに誘導できる.<br /><br />繰り返すが,彼らにしても棒で叩かれたり攻撃されたりした経験は無い.<br />それでも,人が差し出す棒を避けようとするので,それを利用して誘導することができる.<br /><br />なぜかはわからないけれど,彼らは,私たちが感じるよりも大きなプレッシャーを棒から受けているようである.<br /><br />棒に限らず,私たちは動物とのコミュニケーションに道具を多用する.<br />それらを適切に使えば有効なことは実証されている.<br />しかし,そのときに彼らが何をどう感じているかを知る術は無い.<br /><br />そもそも,効果さえあれば "そんなこと" は知る必要も無いのかもしれない.<br />でも,たまに "そんなこと" に思いを馳せてみることくらいは,あってもいいような気がする.まろhttp://www.blogger.com/profile/08894751662783438391noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1140410415021047452006-02-03T13:38:00.000+09:002006-02-20T13:57:18.340+09:00ったく、ボーダーコリーって奴は・・・<IMG SRC="http://bordercollie-mate.com/TAKUBO/column/jechi1.jpg" ALIGN=RIGHT><br /><br />どちらかというと辛い思い出になるのですが,8年ほど前,猫ブラシを買おうと立ち寄ったペットショップで売り物の子犬たちを眺めていたことがあります.<br /><br />たくさんのケージに入れられた犬たちは,それぞれ遊んだり,歩き回ったり,来店客に飛びつこうとしたり,,,いかにも子犬らしく辺り一帯が騒がしい感じでした.<br />そんな中で1頭,檻の中から私たちを見つめてくる犬がいました.<br />おそらく売れ残りだったのでしょう,ケージが窮屈なくらい大きくなっていて,容姿は地味というより何だかみすぼらしく見えました.<br /><br />何をするという目的も無かった私たちがすぐに立ち去ろうとしたところ,その子は寝転がってオモチャを咥えた姿勢のまま,目だけで私たちを追いかけてきます.<br />別にそのこと自体は変でも何でもなかったのですが,周りのざわついた雰囲気の中,その落ち着いて妙に大人びた感じの目線に,ちょっと意表を突かれたような気がしました.<br /><br />結局,その犬とは二度と会うことはありませんでした.<br />しかし日が経つにつれ,その意思的な目線の印象がどんどん強くなり,ついには本を繰って調べるまでなりました.<br />私たちが "ボーダーコリー" という名を初めて知ったのはその時です.<br /><br />それ以来,子犬だった(のが今や信じられない)リンを迎え,雑誌やWebで情報を漁り,ホームページを立ち上げ,犬を通してたくさんの友人と知り合い,農場で働くシープドッグたちと交流し,見よう見まねでミニファームを作り,いつのまにか家畜たちと4頭のボーダーコリーと暮らすようになりました.<br />それにつれ,私たちが彼らに対して抱くイメージは少しずつ変わってきました.<br />いや正確には,最初はぼんやりとしていたイメージが,年を経るとともに鮮明になってきたと言うべきかもしれません.<br /><br />ここでは, 「私たちにとってボーダーコリーとは何?」 なんて安直なインタビューみたいなことを書いてみたいと思います.<br /><br />犬種をどう思うかなんてまぁ人それぞれの思い込みで良いじゃん,と頭の片隅で思いつつ,彼らを取り巻く状況がどんどん変わっていく中,この辺で自分たちの気持ちも整理しておきたいという気持ちになりました.<br />色んな思いが頭ン中でグルグルしてうまくまとまらないのですが,とにかく書き始めてみることにします.<br /><br />++++++++++<br /><br />−2つのバランス−<br /><br />結局のところ,ボーダーコリーってこれに尽きるんじゃないかと思っています.<br />そう,単純です.<br />単純だけど難しい.<br />難しいけどそこにある.<br />煙にまくような言い方ですが,正直,そんな感じです.<br /><br />一つ目のバランスとは,言わずと知れた家畜追い(ハーディング)のセンスのことです.<br />警備係なども含めて牧羊犬の仕事も数々ありますが,ボーダーコリーがもっとも得意とするのは,放牧地に広がった羊をまとめ,ハンドラーの元に連れてくることです.<br />この羊というやつ,自分でやってみるとわかりますが,フラフラ動くくせに中々思う方向には進んでくれません.<br />「買い物カートを後ろから突っつきながら動かしていく感じ」 と表現する人もいます.<br /><br />羊をうまく誘導するためには,動かしたい方向と,羊,ハンドラー,他の犬,障害物などの位置を把握して,自分がどこに立ってどれくらいプレッシャーをかけるべきかを迅速に判断して実行する必要があります.<br />これには視野が広いこと,状況をすばやく総合的に判断できること,デリケートな力加減ができること,根気があることなどが要求されますが,これらはまさにバランス感覚と言えるでしょう.<br /><br />ただ,上のように書くと羊を動かすのがヤケに難しく聞こえますが,練習すれば子供にだってできますし,きめ細かく指示すれば他の犬種でも十分可能です.<br />ボーダーコリーのユニークな点は,この能力がブリーディングで培われた天賦の才能だということです.訓練で身につくものでも,人が教えるものでも,ましてやコマンドで逐一指示するものでもありません.<br />本能という言葉には 「理性的でない」 という悪い語感もあってあまり使いたくないのですが,生まれながらにして持っている才能や感覚のことをそう呼ぶとすれば,ボーダーコリーにとってこのバランスはまさに本能だと言えます.<br /><br />もちろん,たとえバランスが本能であっても,仕事や作業としてのハーディングをこなせるようになるためにはトレーニングが必要です.しかし,そのアプローチは一般に言われるしつけや服従訓練とは異なります.<br />後者の目的が犬の本能を抑えつつ(人にとって)望ましい行動に誘導することなのに対して,前者はむしろ,彼らの本能を引き出して育てることにあるからです.あえて分類すれば,しつけや服従訓練は抑制的な,ハーディングは解放(あるいは育成)的なトレーニングと言えるかもしれません.<br /><br />(どうも世の中ではこの辺がゴッチャにされてるような気がしてなりません.ちなみに,ハーディングのトレーニングには,"トリーツ" や "罰" や "大げさに褒める" などの細工は必要無いと言われています.人と作業することも含めて,彼ら自身の衝動や欲求がモチベータになるのでしょう.)<br /><br />++++++++++<br /><br />−第2のバランス−<br /><br />ただし,これだけで彼らが有能な働き手になったわけではありません.<br /><br /><IMG SRC="http://bordercollie-mate.com/TAKUBO/column/jechi2.jpg" ALIGN=RIGHT><br /><br />実際のハーディング作業では,進む方向を途中で変えたり,群れを分断したり,作業を中断したり,時には本能に逆らった動きまで必要になります.<br />作業の最中,彼らは家畜を目の前にしてかなりの興奮状態にありますが,それと同時に冷静さも失っていません(作業中に尻尾が "J" の字を描くこともその証の一つ?).興奮というよりは集中と言うべきなのでしょう.家畜に神経を集中しながらもハンドラーの指示に耳を傾け共同で作業しようとしています.<br /><br />この自制心と言える心のコントロールと人と共同で作業しようとする意志(あるいは欲求),これらを私たちは第2のバランスと呼びたいと思います.<br />このおかげで彼らは農夫たちから厚い信頼を獲得し,生活を支える仕事のパートナーになる一方で,日常生活においても友人と称えられるまでになったのでしょう.<br /><br />・・・と,ここまでは,一貫してハーディングにまつわる話なので,自分とは関係の無い世界の話だと感じられた方も多いかもしれませんが,これら 2つのバランス(特に後者) は,牧場を離れた場でもとても重要だと思っています.<br />ボーダーコリーの特長の一つに,さまざまな環境下でも力を発揮する高い適応能力(もっと正確に言えば,人の意に沿って積極的に環境に適応しようとする意志と能力)があります.<br />牧羊業が斜陽となってからも,彼らはさまざまな役割を担って人間社会に入っていくことになるのですが,それにはこの適応能力が大いに働いたはずです.<br /><br />だだっ広い牧場で状況に俊敏に対応するため,彼らは敏感で繊細な神経を備えています(=第1のバランス).これはもちろん彼らの長所でありそれを目指してブリードされてもきたわけですが,刺激の多い人間社会で暮らすには時としてハードルになることもあります(例えば音や動くものに過敏に反応する傾向などは良く知られています).<br />しかし実際には彼らは,必ずしも快適でない環境でも人と一緒に行動することを好み,さまざまな要求に応えようとします.<br />これには,彼らに培われた第2のバランス,すなわち "自制心を持って人に従おうとする意志" の果たす役割が大きいのではないでしょうか?<br /><br />++++++++++<br /><br />−シープドッグという名の家庭犬−<br /><br />私たちを含めて,ボーダーコリーを家庭犬として迎え,共に暮らすことを楽しんでおられる方は多いと思います.<br />彼らが家庭犬として適しているかどうかは人によって意見が分かれる(あるいは ”家庭犬” の意味が人によって違う)かもしれませんが,人の感情や意図をきめ細かく汲み取り,人とともに行動しようとする犬だということは異論の無いところでしょう.<br />この性質は,それを目指してブリーディングされてきたというよりは,むしろハーディングにおける第2のバランスを追及する過程で備わってきたものだと私たちは考えています.<br /><br />世の中には,彼らを勝手に分類して(例えばショウ系とかワーキング系とか,あるいは家庭犬とかスポーツドッグとか),しかも 「ワーキング系はハイパーで飼いにくい」 などのレッテルを貼ってしまう風潮が一部にはあります.あるいは, 「家庭犬には必要無いので,ハーディング本能は弱めていくべきだ」 という意見まで耳にすることもあります.またその一方では,競技会などで活躍する例が多いからでしょうか, 「ボーダーコリーを持った以上,何かをしなくては!」 と焦りにも似た感じを抱く人も多いようです.<br /><br /><IMG SRC="http://bordercollie-mate.com/TAKUBO/column/jechi3.jpg" ALIGN=RIGHT><br /><br />これらは一見もっともらしいし,ある意味わかりやすくもあるので,何となく納得してしまいがちなんですが,私たちには賛成できません.<br />ボーダーコリーはボーダーコリーです.<br />世界中に散らばった彼ら1頭1頭の身体には,例外なくスタッドブックの1ページ目に記載された犬の血が流れています.何世代もかけて磨かれてきた優れたバランス感覚を身に備えているはずです.<br /><br />自分の立場や役割を理解し,家族の一員として楽しく穏やかに暮らしていくことも,シープドッグの重要な資質の一つです.<br />たとえ羊を追う環境は無くとも,シープドッグという名の家庭犬は存在するのです.<br /><br />++++++++++<br /><br />−幸運な偶然−<br /><br />繰り返しますが,ボーダーコリーは2つのバランスを目指して農場で作られてきた犬です.<br />その子孫は私たちにも身近な存在となり,さまざまな形容が与えられるようになりました.<br />曰く 「頭が良い」,曰く 「運動神経が良い」, 「人間に忠実」 「訓練性能が良い」 「スタミナがある」 「均整のとれた頑健な身体」,etc,etc.<br />つまり,農夫たちがひたすら自分たちの働き手を確保しようと作ってきた犬が・・・ただ役に立つかどうか,優れたバランスを持っているかどうかで選別されてきた犬が・・・結果としてどんな犬種よりも人に近く,あらゆる競技や仕事で活躍する犬になったわけです.<br />これって,,,もしかしてとても稀有な偶然と言えるんではないでしょうか?<br /><br /><IMG SRC="http://bordercollie-mate.com/TAKUBO/column/jechi4.jpg" ALIGN=RIGHT><br /><br />バランスというのは何かができるとかできないとか,ましてや勝った負けたの問題ではありません.さまざまな能力や性格や身体が一個の生物個体の中でどのように調和しているか?ということです.<br />感覚的であり不可視であり,おそらく主観的なものでしょう.その意味で奥深く難しい性質と言えるかもしれません.<br /><br />しかし,じゃあ私たちがおいそれとは実感できないかというとそうでもありません.<br />例えば,私たちがある農場で熟練したシープドッグと作業させてもらったとき,ド素人の私たちにもその一端を感じることができました.<br /><br />彼らが暮らす世界がどうあれ,それらは大なり小なり彼らの血の中に引き継がれています.<br />つまり "すぐそこにある" んです.<br />あとは,彼らの中にある良いものを見出し,育み,そしてそれを感受するために,私たちの側に少しばかりの心配りと忍耐さえあれば・・・,ということだと思います.<br /><br />ただしバランスというのは,特にそれが絶妙であればあるほど “壊れやすい” ものです.<br />育て方によってはその犬のバランスが崩れることもあるでしょうし,また長年にわたって培われてきた彼らの特質が,これから先も引き継がれていくという保障もありません.<br />特に彼らの生活の場が広がってしまった現代では,ここに書いたような性質をどうやって保持していくかは,意外に厄介な問題かもしれません. <br /><br />ボーダーコリーと関わりを持つ少しでも多くの人が,彼らが本来持っているはずの長所を理解することで,,,そういう目で犬たちに接することで,,,そしてその思いがブリーディングやトレーニングなど様々な場に浸透していくことで,,,少しずつ良い方向に向かっていかないかなぁと思ったりします.<br /><br />しつこいようですが,ハーディングは人から犬への一方通行の指示ではなく,彼らの天賦の力を借りながらパートナーとして共同で進める作業です.そしてそのために農夫たちによってブリードされてきた犬がボーダーコリーです.どんな形であれこの犬たちとの暮らしを楽しむ以上,この事実は尊重したいと思っています.<br /><br />ある著名なハンドラーの言葉:<br />「従順な犬が仕打ちを恐れずに疑問を表現できること,それはトレーナーとしての誇りである」<br />いつかそういう関係になれるようにと願いながら,個性豊かなボーダーコリーたちと暮らしています.<br /><br />彼らとの出会いも含めて,幸運な偶然に感謝しつつ...まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1138627831687820812005-09-25T21:29:00.000+09:002006-01-30T22:30:31.686+09:00ぐれぐ先生フと思ったんですが,こいつオレを教育してるつもりなんじゃないだろうか・・・<br /><br /><br />(ぐれぐ独白)<br /><br />じゃ "かみ方" おしえたげるから.<br />いい? 見てる?<br />このホネはね,口に押しこんで,こうやってガシガシするんだ.<br />ほら,あがあがあがあがあが<br />はが〜,はが〜<br />あ,よそ見しちゃダメだよぅ.<br /><br />じゃあ次はこっちの木でいくから,ちゃんと見ててね.<br />ほら,まえばでチ〜ってやって,かわをはぐんだ.<br />そうやっといてぇ,一気にガシガシガシガシガシ.<br />コノヤロッ,コノヤロッ!<br />がるるるる・・・・<br /><br />あ,まだおわってないのに,そっち行っちゃだめだよ.<br />なんだ,ソファにすわるのか.<br />よ〜し,んじゃ今度はソファカバーでいくよ.<br /><br />こうやってぇ,こうやってぇ,コブ作るでしょ.<br />これをほおばって,おもいっきりすうんだよ.<br />んぐんぐんぐんぐ・・・<br /><br />あ〜,行っちゃだめだって.<br />いいからずっと見ててよ,これあげるからさぁ.<br /><br /><br />(参考: 大阪のぐれぐ)<br /><br />ほな "かみ方" おしえたるさかい.<br />ええか? 見ててや.<br />このホネはな,口に押しこんでな,こうやってガシガシするんや.<br />ほらな,あがあがあがあがあが<br />はが〜,はが〜<br />こら,よそ見したらあかんで〜.<br /><br />ほな次こっちの木いくさかい,ちゃ〜んと見ときや.<br />ほらな,まえばでチィ〜てやって,かわむいたるんや.<br />ほんでぇ,一気にガシガシガシガシガシや.<br />おんどりゃ,おんどりゃあ!<br />がるるるる・・・・やんけぇ<br /><br />こら,まだおわってへんのに,よそ行ったらあかんがな.<br />なんや,ソファかいな.<br />よっしゃ,ほんならソファカバーいてこましたろ.<br /><br />こやってな,こやってな,コブ作るやろ.<br />これほおばってな,めっちゃすうんや!<br />んぐんぐんぐんぐ・・・やんけぇ<br /><br />こら〜,行ったらあかんゆーとんのに.<br />ええからずっと見ときぃな,これやるさかい.まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1138627759511103122005-08-16T21:28:00.000+09:002006-01-30T22:29:19.513+09:00煮干し作戦私の子供の頃,下町には必ずといっていいほど野良犬がいました.<br />まだ沢山残っていた原っぱや空き家やお宮さんの広い敷地などをねぐらにしていました.<br />野良犬と子供たちの生活圏は不幸なくらい一致していたのですが,不思議と事故はありませんでした.お互いに見て見ぬ振りしながら,何となくうまくやってたのでしょう.<br />でも大体,犬は子供が嫌いだったんじゃないかな?<br />普段から騒がしいし,中には石持って追いかけるヤツまでいたしね.<br /><br />今から思えばのんびりした風景ですが,それでもすでに野良犬の生活は厳しかったようです.どいつもこいつも痩せっぽちでしたし,彼らが産んだ二世には出会った記憶がありません.(牛乳ビンと一緒にダンボールに入った子犬はよく見かけましたが)<br /><br />そういえば 「野犬狩り」 なんてのもありましたね.犬を引っかける道具を持った作業員が,トラックで地域を見回っていました.<br />私,あーいうのは子供にも見せた方が良いと思うんですよ.<br />痩せ犬がひっつかまってトラックに詰っ込まれるシーンなんか目撃すると,そりゃあもうえらいショックです.<br />でも激しく感情を揺さぶられたら,自分で何かを考えずにはおられません.<br /><br />私は野良犬が好きでしたので,いつもポケットに煮干を忍ばせて,彼らを見かけるたびに辛抱強く手なずけていました.<br />思えばそれは,本来彼らが備えるべき人間に対する警戒心を奪ったり,あるいは,飢えた相手に対して失礼な態度だったかもしれません.<br />もちろん当時はそんなことまで考えるはずも無く,とにかく彼らに接したい一心でした.<br />自分でもちょっぴり偉かったなと思えるのは,相手がどんなに汚くても厭わずちゃんと触れていたことです.<br /><br />私は犬との接し方を彼らから学んだ気がします.警戒心の強そうな子の時は,ちょっと斜め向きにしゃがんで,相手が近づいてくるのを待って手の甲で肩に触れるというのが自分流の挨拶でした.それでしばらく一緒にいてくれる子もいれば,プイッといなくなるのもいました.<br />これが "正しい" やり方かどうかは知りませんが,少なくともケガをしたことはありません.だいたい,人間が嫌いな子は最初から近づいてきやしませんでしたしね.<br /><br />あ,そういえば一度だけ,すっかり気を許してくれたように見えた犬が,いきなり私の胸に歯を突き立て,そのまま走り去っていったことがありました.<br />彼の見せた一瞬の敵意は,犬の扱いに慣れた気になっていた自分にとって本当に意外で,服に開いた穴を見つめたままボーゼンとしてました.<br />今もって,彼がなぜそんなことをしたのかわかりません.<br />でもその鋭い胸の痛みと, 「これでまたやり直しやん〜」 と頭の中でつぶやいて泣きそうになったことは,今でもよく覚えています.<br />これも,私の大切で貴重な経験です.<br /><br />白状すると私は,街ン中に野良犬くらいいたっていーじゃんって,今でも思っています.<br />誰のものでもなく,囲われても繋がれてもいない犬と対等に交流できる機会を,今の子供たちにも残してやれないものかと.<br />不安なもの,怖いもの,いらないものを社会から締め出すのが世の習いですが,それらを最初からまったく知らないというのも,危なっかしいような気がします.<br /><br />・・・あぁ,だめだっ,またスラスラヌケヌケとうそ書いてる ^^;<br />ほんとは子供らのことなんかこれっぽっちも考えてないくせに〜.<br />はい,すんません,ただ 「いたっていーじゃん」 って思ってるだけです.<br />さすがに今となっては,野良犬と一緒に遊びたいとは思いませんが,街角で出会った彼らと何食わぬ顔ですれ違いたいもんだと思っています.そんなけです.<br /><br />余談ですが,街でうろつく野良犬は,生きるのにカツカツで人を襲う元気も体力もなかったし,そんなリスクを犯すほどバカでもありませんでした.<br />今も昔も,人を襲うのは繋がれっぱなしで体力を持て余した半分神経症の飼い犬ですし,襲われるのは動物とのつきあいの配慮を欠いた人間です.まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1138627676694560172005-08-04T21:27:00.000+09:002006-01-30T22:27:56.696+09:00草刈りしながら思ったこと この頃,毎週と言っていいくらい草刈りしてます.<br /> 梅雨や台風の雨で元気一杯の雑草たち.<br /> もはや手で引くなどという生易しい状況ではなく,草だか木だかわからないようなやつを,刈り払い機でバリバリぶった伐っていきます.刈ってもすぐにまた茂ってくるので,この時期,作業に終りはありません.<br /><br /> 朝夕の涼しい時間帯でも,30分で汗だくです. (←このぉ軟弱者っ!)<br /> ただ,しんどいだけでもなくて,作業中は頭をからっぽにできるし,一休みして征服した場所を眺めるのは良い気分です.もしかしたら新しいスポーツにできるかも.<br /> (誰かかっちょいいウェアでもデザインしてくれないかな?)<br /><br /> 無節操に生えてるかのような雑草たちですが,一度刈った場所では前と違った種類の草が繁っていたりして,ちゃんと棲み分けしています.<br /> きっと,発芽のタイミングや日光のちょっとした加減などで,デリケートな力学が働くのでしょう.虫や小動物たちも大いに影響を受けてるはずです.<br /><br /> そうやって生き残りゲームに懸命な草や虫たちを,ガーガーとうるさい道具でなぎ倒していくってんだから,やっぱり人間ってぇのは乱暴なもんじゃねーですか.<br /> その一方で,姿を変え形を変えて再生してくる雑草を相手にしてると,人間のやることなんて多寡が知れてるという気がしてきますし,それがビミョーに嬉しかったりもします.<br /><br /> よく, 「人間は自然に対して大きな力を持つようになった」 と言いますが,私には全然そんな風には思えません.だって天災の類にはほとんど無力なままだし,第一,自分の身体ですら,誕生とか寿命とか健康とか免疫とか本能とか,大事なところはまったく意のままにできないのですから.<br /><br /> 例えば 「自然破壊」 という言い方がありますが,これからして人間の思い上がりとゆーか,随分と手前味噌に聞こえます.人間に自然が壊せるもんか,ただ単に自分たちが住みにくくなるだけじゃねーか・・・って.<br /> そして,それすらもコントロールできないでいるのだから,私たちはもっともっと進化して賢くなる必要があるのでしょう.何世代かかるかわかりませんが.<br /><br /><br /> ところで話は飛びますが,最近,「もったいない」 が日本独特の表現だとかで注目を集めていますが,私は 「里山」 というのもなかなかのもんではないかと思っています.<br /> ひょっとしたら世界に誇れる文化ではないかと.<br /> ちゃんとした定義は知りませんが,シバや山菜を採ったり,キノコを作ったり,炭を焼いたり,子供が沢で遊んだり,,,ちょっとだけ人の手が入った山裾あたりの雑木林です.<br /><br /> 山で暮らす動物たちとの緩衝地帯であり,交流地帯でもある所.<br /> 広葉樹たちが茂っていながら,地面にまで日光が届く所.<br /> 妖怪やお化けたちがどこかに隠れていそうな所.<br /> 犬たちが目と鼻を輝かせて探索する所.<br /><br /> 個人的にはですよ,例えばわざわざ熱帯まで出かけて行ってマングローブを植樹したりするのはどーもピンと来ないんですが,土地と折合いをつけていく里山方式だって立派な環境運動だと思うんです.自分たちが暮らすために,,,というところがまっとうな感じがします.<br /><br /> いつの頃からか自然は,どこかに大事に "保存" しておいて,たまに出向いて "触れ合"ったり "満喫" したりするものになってしまったのですが,私たちはもう一度,自分たちこそ自然そのものであり,それ以上でも以下でもないことを肝に銘じるべきではないでしょうか.<br /><br /> どこにでもあった里山も,最近は開発されるか,人手が不足して荒れていくところが多いようです.今の進化段階にある人間がそこそこ上手く暮らしていくためには,そこそこイケてる知恵ではないかと思うのですが・・・.<br /><br /> そうそう,フェンスで囲ったドッグランも良いのですが,里山を育んで人や犬に開放するってぇのはどーざんしょ?まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1138627619038186412005-05-16T21:26:00.000+09:002006-01-30T22:26:59.040+09:00なめなめ夜,ソファで寛ぎながら,今日犬と遊んでやったっけな?・・・そういえば忙しくて昼にトイレに出してやったきりのような・・・それでも文句も言わずおとなしくしてんだから偉いよなぁ・・・,なんてとりとめもなく考えてたら,不覚にも青二才と目を合わせてしまった.<br /><br />てっきり向かいのソファで眠りこけてると思ったのに,こっちの考えてることがわかったんだろうか?<br />この男に期待を抱かすとロクなことはない.<br />あわてて視線を逸らせて 「お前のことなんか気にしてない」 という体を装う.<br /><br />逸らせた視線の先はただの壁.<br />しょうがないので,しばらく壁の汚れでも見つめてみる.<br />さすがに自分でもバカバカしくなってきたとき,壁の向こうで不審な音がした.<br /><br />どこからかネズミでも忍び込んだのだろう,このところ毎日のように天井裏や壁の内側で何かが走り回る音がする.<br />不思議なことに,小動物と見れば目の色を変えるうちの犬たちが,揃いも揃ってこの音には無関心である.単なる雑音として無視してるのか,それとも少しは気にして聞き耳くらいは立ててるのだろうかと,つい青二才に目をやってしまう.<br />げっ,しまった,まだこっち見てやがった!<br /><br />「違うっ! 頼むから勘違いすんな」 と強く念じて再び目を逸らしたが遅かった.<br />首筋がしゃんと伸び,目が真ん丸になり,尻尾がソファを叩きだす.<br /><br />「すちゃっ」と爪の音をたててソファから降りた.<br />愛情を疑わず自信満々の犬が伸びを一つ入れて胴をくねらせながらこっちに来る.<br />そのままひざに前手をかけ,あごの下に頭をねじ込んでくる.<br />甘えてるだけなのだが,力が強い上に骨がごついからとても痛い.<br />あーもうわかったから止めてくれ〜・・・<br /><br />唐突にやつの動きが止まる・・・,いか〜んっっっ!!<br />もう見なくてもわかる.<br />鼻を膨らませ,目を潤ませてこっちを覗き込んでいるに違いない.<br />勝手に気分を出して情感を昂ぶらせているのだ.<br /><br />案の定,今度はこちらの肩に両前足をかけ,少し首を傾げて顔を舐めはじめた.<br />ごつい身体に剛毛の青二才であるが,舌だけは変に滑らかである.<br />しかも舐め方はソフトで丁寧ときている.<br />美形ならともかく,強面の犬にこれをやられると妙に気持ち悪い.<br /><br />薄目を開けるとやつのうっとりした顔が目に入る.<br />そんなもん見たくもないと,あわてて下に目を逸らすと,今度はちょっと充血してテラテラしたやつの男根が目に入ってしまう.<br /><br />「ほんとは嬉しいくせに」 なんて思ってる人にはバチがあたるでしょう.<br />確かに青二才は良いやつで好きなんですが,これは本当に迷惑です.<br />ああ,神様,一体これは何の罰なんでしょうか?まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1138627074172238182005-03-07T22:16:00.000+09:002006-01-30T22:17:54.173+09:00大歓迎いつのまにやら単身赴任の身になっていて,4頭の犬たちに会うのは1週間おきです.<br />仕事を終えてから2時間ほどドライブするので,家にたどり着くのはどうしても夜になります.<br />(8時過ぎには静まり返ってしまう田舎ってやっぱりすごい!)<br /><br />普段からこの時刻には,犬たちも居間に入って思い思いに寛いでいます.<br />せっかくの静けさを破りたくないので,できるだけそ〜っとドアを開けるのですが,すでに気配を察して "来たんかぁ!?" 状態になっていた犬たちが,一斉に飛びついてきます.<br />正直,お行儀は最悪ですが,この揉みくちゃの出迎えも捨てがたい.<br />ドライブの疲れがすっと消えますもん.<br /><br />どの子も全身で歓迎してくれるのですが,個性豊か(勝手気ままとも言う)な犬たちゆえ,その作法はさまざまです.<br />正面に陣取って最高の "良いお顔" を作りながら鼻を鳴らす犬.<br />その周りを駆けながら隙を見て正拳突きを入れてくる犬.<br />さらにその周りをギャロップしながら 「ごぅわろぉぉぉ」 と変な声を上げる犬.<br />そして情けなや早や一週間で顔を忘れたのか,周りに合わせて尻尾は振るものの,前手を踏ん張って警戒している犬.<br />(・・・さて,誰が誰でしょう?)<br /><br />攻め方はいろいろですが表情は似ています.<br />ペタリと後ろに倒した耳,尻に巻き込みながら腰ごと振る尻尾,頭を下げながらチラチラとこちらを伺う目つきなどなど.<br />へいへい,犬でござい〜と恐縮しつつ,それでもやっぱり嬉しいから身悶えしちゃうといった風情です.<br />自分でも変だと認めますが,この屈折感が犬らしくていいなぁと思っています.<br /><br />それにしても,犬ってバカですな.<br />損な性分と言いましょうか.<br />開けっぴろげに気持ちを表現したりするから,そこを見透かされて痛い目にも遭ってきたろうに.<br />猫みたく澄ましてた方が,もっとちやほやしてもらえたかもしれないのに.<br />そんなに人間が好きなのかねぇ?<br /><br />と言いつつ,まんまと篭絡されてしまうバカな人間もいるのだから (少なくともここに一人),損は無いのかも.まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-21699408.post-1138626988914593402004-11-16T22:15:00.000+09:002006-01-30T22:16:28.916+09:00じぇちぶーの魔法 ・・・のとりこになった男今のうちにじぇすについて書いておこうと思う.<br />現在10ヶ月齢.<br />身体は随分と大きくなったが,頭の中はまだ子供である.<br /><br />今のところ彼女には特に役目が無い.<br />んが,いつも忙しそうにしている.<br />りん姉との駆けっこ,さんとのレスリング,猫とニワトリの監視,格闘技のような食事,屋内外問わず自由自在のトイレ,自然体の脱走,などの日課をせっせとこなしている.そのわずかな合間に,発作的に人間に甘えに来るか,さもなくば力尽きて行き倒れている.寝るときと誰かを監視するとき以外は,他に面白いことが無いかと小さな三白眼がいつもクルクル動いている.<br /><br />身体は硬いけれども身のこなしは綺麗だ.りんと爆走しながら身体を前転させ寝技に持ち込むときの動きなんか,危ないのを忘れて見惚れてしまう.70センチの囲いを飛び越えるときは,普通に歩く感じで四肢がふわっと持ち上がる (そしてそのまま逃走する...).<br /><br />問題は顔である.お世辞にも美形とは言えない.基本的に立ち耳のキツネ顔なのだが,配置が不器用なのだろうか,どうもこすっからい悪党面なのである.さすがに寝顔はかわいい,,,と言いたいが何だかじじむさい.まぁブサイクの部類だろうな...<br /><br />感情表現も不器用である.<br />子犬なんてどいつもこいつも "遊んで〜" 攻撃を仕掛けてくるもんだと思っていたが,彼女は遠慮して距離を置きたがる.甘噛みなど想像もつかない.<br />人間に関心が無いかというとそうではなくて,いつもチラチラとこちらを窺っている.<br />撫でられるときは腹を見せながら "雪崩れこんで" くるが,ウットリとはできない. どうも身体に力が入っているのである.<br /><br />で,何が言いたいかというと,,,こんなこと書き残すと後で恥ずかしくなって悶え苦しむのが目に見えているのだが,,,そんなじぇすがどーにもこーにも可愛いくて仕方ないのである.<br />良く回転する頭に不器用な顔.<br />甘えたいけどもうまく表現できず,でもときどきたまらなくなってダーッと来るみたいな性格.<br />ケモノらしい激しさや嫌らしさやずるさが見え隠れする表情.<br /> ・・・<br />ナマイキ言うと,とても犬らしい犬と言おうか,彼女とつきあうと何だかたっぷり犬を堪能したという気にさせてくれるのである.<br /><br />彼女を叱ることはとても難しい.<br />変わり身が早くてタイミングを失うのと,なによりカーイくて叱れないのである.<br />ま,こーしてうちの犬はみんな堕落していくのですけど.まろhttp://www.blogger.com/profile/16249523427236028032noreply@blogger.com0