Monday, May 16, 2005

なめなめ

夜,ソファで寛ぎながら,今日犬と遊んでやったっけな?・・・そういえば忙しくて昼にトイレに出してやったきりのような・・・それでも文句も言わずおとなしくしてんだから偉いよなぁ・・・,なんてとりとめもなく考えてたら,不覚にも青二才と目を合わせてしまった.

てっきり向かいのソファで眠りこけてると思ったのに,こっちの考えてることがわかったんだろうか?
この男に期待を抱かすとロクなことはない.
あわてて視線を逸らせて 「お前のことなんか気にしてない」 という体を装う.

逸らせた視線の先はただの壁.
しょうがないので,しばらく壁の汚れでも見つめてみる.
さすがに自分でもバカバカしくなってきたとき,壁の向こうで不審な音がした.

どこからかネズミでも忍び込んだのだろう,このところ毎日のように天井裏や壁の内側で何かが走り回る音がする.
不思議なことに,小動物と見れば目の色を変えるうちの犬たちが,揃いも揃ってこの音には無関心である.単なる雑音として無視してるのか,それとも少しは気にして聞き耳くらいは立ててるのだろうかと,つい青二才に目をやってしまう.
げっ,しまった,まだこっち見てやがった!

「違うっ! 頼むから勘違いすんな」 と強く念じて再び目を逸らしたが遅かった.
首筋がしゃんと伸び,目が真ん丸になり,尻尾がソファを叩きだす.

「すちゃっ」と爪の音をたててソファから降りた.
愛情を疑わず自信満々の犬が伸びを一つ入れて胴をくねらせながらこっちに来る.
そのままひざに前手をかけ,あごの下に頭をねじ込んでくる.
甘えてるだけなのだが,力が強い上に骨がごついからとても痛い.
あーもうわかったから止めてくれ〜・・・

唐突にやつの動きが止まる・・・,いか〜んっっっ!!
もう見なくてもわかる.
鼻を膨らませ,目を潤ませてこっちを覗き込んでいるに違いない.
勝手に気分を出して情感を昂ぶらせているのだ.

案の定,今度はこちらの肩に両前足をかけ,少し首を傾げて顔を舐めはじめた.
ごつい身体に剛毛の青二才であるが,舌だけは変に滑らかである.
しかも舐め方はソフトで丁寧ときている.
美形ならともかく,強面の犬にこれをやられると妙に気持ち悪い.

薄目を開けるとやつのうっとりした顔が目に入る.
そんなもん見たくもないと,あわてて下に目を逸らすと,今度はちょっと充血してテラテラしたやつの男根が目に入ってしまう.

「ほんとは嬉しいくせに」 なんて思ってる人にはバチがあたるでしょう.
確かに青二才は良いやつで好きなんですが,これは本当に迷惑です.
ああ,神様,一体これは何の罰なんでしょうか?

Monday, March 07, 2005

大歓迎

いつのまにやら単身赴任の身になっていて,4頭の犬たちに会うのは1週間おきです.
仕事を終えてから2時間ほどドライブするので,家にたどり着くのはどうしても夜になります.
(8時過ぎには静まり返ってしまう田舎ってやっぱりすごい!)

普段からこの時刻には,犬たちも居間に入って思い思いに寛いでいます.
せっかくの静けさを破りたくないので,できるだけそ〜っとドアを開けるのですが,すでに気配を察して "来たんかぁ!?" 状態になっていた犬たちが,一斉に飛びついてきます.
正直,お行儀は最悪ですが,この揉みくちゃの出迎えも捨てがたい.
ドライブの疲れがすっと消えますもん.

どの子も全身で歓迎してくれるのですが,個性豊か(勝手気ままとも言う)な犬たちゆえ,その作法はさまざまです.
正面に陣取って最高の "良いお顔" を作りながら鼻を鳴らす犬.
その周りを駆けながら隙を見て正拳突きを入れてくる犬.
さらにその周りをギャロップしながら 「ごぅわろぉぉぉ」 と変な声を上げる犬.
そして情けなや早や一週間で顔を忘れたのか,周りに合わせて尻尾は振るものの,前手を踏ん張って警戒している犬.
(・・・さて,誰が誰でしょう?)

攻め方はいろいろですが表情は似ています.
ペタリと後ろに倒した耳,尻に巻き込みながら腰ごと振る尻尾,頭を下げながらチラチラとこちらを伺う目つきなどなど.
へいへい,犬でござい〜と恐縮しつつ,それでもやっぱり嬉しいから身悶えしちゃうといった風情です.
自分でも変だと認めますが,この屈折感が犬らしくていいなぁと思っています.

それにしても,犬ってバカですな.
損な性分と言いましょうか.
開けっぴろげに気持ちを表現したりするから,そこを見透かされて痛い目にも遭ってきたろうに.
猫みたく澄ましてた方が,もっとちやほやしてもらえたかもしれないのに.
そんなに人間が好きなのかねぇ?

と言いつつ,まんまと篭絡されてしまうバカな人間もいるのだから (少なくともここに一人),損は無いのかも.

Tuesday, November 16, 2004

じぇちぶーの魔法 ・・・のとりこになった男

今のうちにじぇすについて書いておこうと思う.
現在10ヶ月齢.
身体は随分と大きくなったが,頭の中はまだ子供である.

今のところ彼女には特に役目が無い.
んが,いつも忙しそうにしている.
りん姉との駆けっこ,さんとのレスリング,猫とニワトリの監視,格闘技のような食事,屋内外問わず自由自在のトイレ,自然体の脱走,などの日課をせっせとこなしている.そのわずかな合間に,発作的に人間に甘えに来るか,さもなくば力尽きて行き倒れている.寝るときと誰かを監視するとき以外は,他に面白いことが無いかと小さな三白眼がいつもクルクル動いている.

身体は硬いけれども身のこなしは綺麗だ.りんと爆走しながら身体を前転させ寝技に持ち込むときの動きなんか,危ないのを忘れて見惚れてしまう.70センチの囲いを飛び越えるときは,普通に歩く感じで四肢がふわっと持ち上がる (そしてそのまま逃走する...).

問題は顔である.お世辞にも美形とは言えない.基本的に立ち耳のキツネ顔なのだが,配置が不器用なのだろうか,どうもこすっからい悪党面なのである.さすがに寝顔はかわいい,,,と言いたいが何だかじじむさい.まぁブサイクの部類だろうな...

感情表現も不器用である.
子犬なんてどいつもこいつも "遊んで〜" 攻撃を仕掛けてくるもんだと思っていたが,彼女は遠慮して距離を置きたがる.甘噛みなど想像もつかない.
人間に関心が無いかというとそうではなくて,いつもチラチラとこちらを窺っている.
撫でられるときは腹を見せながら "雪崩れこんで" くるが,ウットリとはできない. どうも身体に力が入っているのである.

で,何が言いたいかというと,,,こんなこと書き残すと後で恥ずかしくなって悶え苦しむのが目に見えているのだが,,,そんなじぇすがどーにもこーにも可愛いくて仕方ないのである.
良く回転する頭に不器用な顔.
甘えたいけどもうまく表現できず,でもときどきたまらなくなってダーッと来るみたいな性格.
ケモノらしい激しさや嫌らしさやずるさが見え隠れする表情.
  ・・・
ナマイキ言うと,とても犬らしい犬と言おうか,彼女とつきあうと何だかたっぷり犬を堪能したという気にさせてくれるのである.

彼女を叱ることはとても難しい.
変わり身が早くてタイミングを失うのと,なによりカーイくて叱れないのである.
ま,こーしてうちの犬はみんな堕落していくのですけど.

Monday, September 20, 2004

みんな遊べ!

今年の夏,急に身の回りの動物が増えてしまいました.
これまで犬猫小鳥としか暮らしたことが無かった私たちにとっては,大した変化です.

実は羊たちを迎えてまだ一週間という頃,子羊を1頭死なせてしまいました.
前夜まで他の羊と一緒に草を食んでいたのに,朝にはもう息がありませんでした.
背の高い叢の中に小さな身体がコロンと転がっていたそうです.

嘆くひまも無いほどあっけない出来事でした.
解剖しても原因はわからず,たぶん熱中症か肺炎だろうと言われました.
痛みに強く我慢強いと言われる羊ですが,環境の変化と猛暑が重なって最後の体力まで使い切ってしまったのでしょう.

その後もキツイ日照りが続き,残った羊やヤギたちも代わる代わる下痢をして体調を崩しました.
"生きる" ということの重さと軽さをあらためて感じさせられたような.
エントロピー増大の法則に抗って自己複製を繰り返す有機組織体を何処のどなたが作られたかは知りませんが,一人一人は結構大変なんだかんなーと,ついグチの一つもこぼしたくなってしまいます.

もちろん動物たちにはそんな感傷なんか無用でしょう.
相変わらず厳しい日差しの下,草を食み水を飲み,今日も黙々と生きています.


彼らを見ていて一つ気づいたことがあります.
それは, (あたりまえかもしれないけれど) どいつもこいつも "遊ぶ" ということです.
狩猟動物である犬猫だけでなく,羊もニワトリもヤギどんもウサウサも.

ま,遊びと言っても慎ましいものですけどね.
唐突に駆け出したり,無意味にジャンプしたり,仲間にごっつんこしてみたり... でも,あれらは絶対 "遊び" だと思うんです.
何かの機会にフと訪れる生きることの喜びみたいなもんが,彼らの身体をつき動かすんじゃないでしょうか.
淡々と過ぎてくように見える彼らの暮らしの中で,そこだけがキラリと光っているかのような印象を受けます.

あの子羊にも,そんな瞬間(とき)があったのだろうか?

Wednesday, July 21, 2004

あらためてりん

Hiroさんに言わせると,自分はりんをえこひーきしているそうだ.

そんなつもりは無かったけれど,そう言われてみれば, TV観るときにソファで横にはべらしたり,隠れて氷をやったり, 夜にりんだけ出して一緒に寝たり...たしかに他の2頭に対してちょっと不公平だったかもしれない.(笑)

りんは最高の犬か? と聞かれればう〜んと口ごもってしまう.
さんやじぇすに較べると頭悪そうだし,素直じゃないし,ガタイも華奢で身体能力も劣る. 性格だってキツイ.
それでもやっぱり,りんなんだなぁ.

「1頭目の犬は格別」 という人もいるが,自分の場合はよくわからない.
ただ,彼女と一緒に色んなことを経験し,同じ場所に立って同じ景色を見て, 怒ったり喜んだり落胆したり,とにかくこの6年余りをつかず離れずで生きてきたことは確かだ.
新しい生活が始まろうとしている今も, その原因を遡ればりんの存在は決して小さくない.

そんなこんなが彼女との関係を格別なものにしているのかもしれない.
ま,単なる腐れ縁かもしれないけど.

Monday, May 31, 2004

困る犬(2)

ついでだから, "人間が" 困る犬としてもさんに登場してもらおう.
(すまんねーいつもネタにして.だっておもろいんだもん)

彼は素直でいいヤツだと思うんですが,自分の衝動にも素直と言おうか,ときどき場違いに力んでしまうところがあります.それを飽きもせず毎度毎度やられると, その場で絞め殺したくなる どーしたもんかとため息が出てしまいます.

例えば,トイレなどで外に出すと彼はずっと動き回ってます.
持って来い遊びなどしなくなって久しいのに,木切れやらダンボールやらを運んできてはガシガシやって見せ,半歩下がってクラウチングポーズをとってます.さすがにこちらが誘いに乗らないと諦めますが,その後,ギャロップで庭を半周し,忙しなく草を食み,りん姉にちょっかい出して睨まれたりする頃にはもう頭がリセットされてます (この間,約30秒).また別の木切れを運んできて目の前で力んで見せる.
ったくウザいのです.

田舎に引っ越してから心身の活動量がアップしたのでしょうか,彼は少し痩せたようです.そりゃマンション暮らしと較べれば多少は刺激が多いのかもしれませんが,人間から見ると 「無意味に張り切ってる」 ようにしか見えません.おかげでまたフードを増やさざるを得なくなりました.
フードと言えばこの男の食餌前の騒がしさには閉口です.準備する間,動き回って目障りなのでクレートに入れるんですが,その中から轟々と吠えてます.この声がまた身体に比例してでかい.しまいには "ワーン" と頭の中に反響しだし,もうこうなると事態を改善しようなどという気も失せ,ただ時が過ぎるのを待つだけになります.

りん姉も吠えますが,この2頭の吠え方は明らかに違います.
りん姉はいかにも口先で何かを訴えてるという感じですが,さんの場合,身体の奥から湧き起こる衝動というか,何かに憑かれたかのように力いっぱい吠えます.黙るように言っても,止めるのは一瞬だけ.もしかしたら,ヤツには吠えてるという意識さえ無いのかもしれません.

ところで,先日,とあるシープドッグ関連の雑誌に犬の目の色に関する記事がありました.その中で明るい琥珀色(amber)の目の犬は "活動的で,目の力が強く,頭の回転が速く,そして作業欲が強烈である" と書いてありました.また,他者が自分の空間に侵入することを嫌う,少数の人にだけ深い愛情を寄せるなど,繊細な神経を併せ持っているとも.この手の記事を鵜呑みにするのもどーかと思いますが,それでも読んでいくうちに笑ってしまいました.

−なんだ,これってさんのことじゃん!−

さんの目はわりと明るめの琥珀色です.
あのしつこさや騒がしさが作業欲から来てるとすれば,さんはまさしく amber eyed dog なのでしょう.家畜で試したことはありませんが目の力も強そうです.頭の回転が速い−−と思ってるのは飼い主だけかもしれませんが...

前にも書いたように,さんはまったくといっていいほど攻撃性を見せない犬です.じゃあフレンドリかというとそうでもなくて,どちらかと言えば他人や他犬にはそっけない感じです.そう言えば,たくみに距離を取って接触を避けているようにも見えます.強くしなやかな身体,強い作業欲,しつこさなどと併せて,この種の繊細さとのバランスがさんという犬のおもしろみなんでしょう.
そう思わないとやっていけません...

Friday, April 16, 2004

困る犬(1)

タイトルは "人間が" 困る犬じゃなくて "犬が" 困るということ.

犬って暮らしのルールと自分の欲求との板ばさみになったり, うまく状況に対処できないときに,困っているように見えるが, そんな屈託に満ちた様子が結構好きだったりする.
うちの動物たちの中で一番よく "困る" のは,なんと言ってもさんである.

例えば,部屋の中に人間,犬,猫がごちゃっとたむろしているとする. ソファは小さいから,人間が座ってその余りのスペースをりん姉が占めてしまうと, もうほとんど空きがなくなる. そんなとき,さんはその狭い場所に身体を押し込んで小さくなっている.
りん姉がチラッとにらんでプレッシャーをかけたりすると, 顔を不自然に横向けてなんとかやり過ごしている.
そんな窮屈な思いをするくらいなら,部屋の隅にでも行って楽にしてれば? と思うんだけど,それでも人間に密着している方が良いらしい.

そういえば,猫のたろうは相変わらずりんには近寄りもしないが, さんにはまったく遠慮しなくなった. 遠慮どころか,わざとらしく悠然と目の前を横切ったりする. そんなとき,威嚇してはいけないことがわかっているさんは (それで叱った記憶もないから,自分でルールを作ったんだろう), 耳をピキッと反らせてかしこまっている.

ある日,例によってさんがソファで座っていたとき, 何を考えたのか,たろうがその足元に登ってきたことがある. このときばかりはさすがに追い払うかと思ったが, 彼はその場所をたろうに譲り, 自分は柔らかい背もたれの上に飛び乗って, そこでグラグラ揺れながら懸命にバランスをとっていた.
身体全体で "困った〜" って言いながら.

最近,メンバーに子犬が加わった.
こいつがまた好奇心のまま部屋中を動き回るので, さんはますます居場所を失いつつある.
多分どうしていいのかわからなくなってしまうのだろう, 部屋の中で呆然と突っ立っていることもある. ああ不憫なやつと思うのだが,ジャマはジャマなので邪険に追い払ってしまう.
りん姉なんか,子犬や猫ごときって感じで, 自分に近寄ってさえ来なければ, 完全無視を決め込んでドテ〜と寝転がってるのに.

ほんと,さんは不思議なヤツです.
身体がでっかくて牙も立派なのに,子供も子犬も猫もちっとも彼を恐れない.
外でケンカを吹っかけられても,困りきって相手を見つめているだけ.
どこか一本抜けているのか,あるいは強烈な抑制が働くのか.
三歳にしてようやく "青二才" に出世した彼だが,この愛らしい性格は変わらないでいて欲しい.

Saturday, April 03, 2004

遠い道のり

ご主人が 「お前の名前が決まったよ」 と告げたときから,あたしは Jess と呼ばれるようになった.
ほわいとろおず・じぇす...これがあたしの名前.

その頃あたしが何してたかというと,お気に入りの農場でかけっこしたり,ねずみを追っかけたり,羊のにおいを嗅いだり,仲間とレスリングしたり,ご主人と遊んだり,,,まぁ何ていうのかな,とにかく悪くない毎日だったと思う.
先のことはよくわからないけど,あたしも大きくなればここで働くんだろうなとぼんやり思ってた.

ある日,ご主人があたしを木製の箱に入れて車に載せた.
初めてのドライブが珍しくてキョロキョロしてたんだけど,気がついたらヒコーキという乗り物の中にいた.

ヒコーキには仲間もいないし,お気に入りの庭やねずみや寝わらもなかったし,その上音がうるさくてとても居心地が悪かった.
長い長い時間が経って,もしかしたらこのままず〜っとここで暮らすのかな? なんて心細くなってきた頃,ようやくクーコウというところに到着した.

クーコウに降ろされてすぐ,箱の金網ごしに知らない人たちと対面した.
その人たちはときどき箱の前に現れてあたしを覗き込んだり,箱ごと別の建物に運んだりした.
そこでは色んな人が行ったり来たりしてたけど,みんなとても忙しそうで,やっぱりあたしは一人ぼっちだった.
ここもとても疲れるところだった.

2時間くらい経ってから,またさっきの人たちがやってきて, 「さ,帰ろうか」 と言って箱ごとあたしを車に載せた.
それからもう一度長い時間ドライブしてある建物についた.その建物はとても大きかったけど,中に入ると狭くてごちゃごちゃしていた.
部屋の中には大きな犬が2頭と真っ白な猫がいて,あたしを不思議そうに見てた.

これからここで暮らすのかな?
それともすぐに農場に帰って元のように暮らせるのかな?
考えたってわからないし,クタクタに疲れたから寝ることにしよっと...


...と,いうわけで,また新しい仲間を迎えることになりました.
着いた当初はさすがにビクビクしてたけど,どこかしたたかさも感じさせてくれる頼もしい女の子です.
これからどんな子に育っていくのか,そして私たちに何を見せてくれるのか,とても楽しみにしています.

とにかく...よく来たね,Jess!

Saturday, January 24, 2004

犬と薪ストーブ

 結構ありがちだと思うけど,子供のころ, 「大きな暖炉の前でふわふわの白い犬を枕にしてうたた寝をする」 という夢を持っていた.

 子供の感覚とはおもしろいもので,ほかの夢,例えば 「プロ野球選手になってピッチャーかファーストか,悪くてもライトを守る」 は,まぁ毎週の野球クラブの練習さえまじめに出てれば実現できると信じて疑わなかったくせに,こと 「暖炉の前で犬枕」 となると,まるで現実味の無いおとぎ噺のような感じだった.当時の純和風の生活環境とのギャップが大きかったせいかもしれない.

 それが40をだいぶ過ぎた今,小さな山小屋を設けて,いつのまにかその夢に近い状態でいることに気がついた.

 大きな暖炉 → ちっちゃな薪ストーブ
 ふわふわの白い犬 → ごつごつの黒い犬
 犬を枕にして → 犬の枕になって

 と,少しずつ違うのだけれど...

 で,まぁ些細な違いには目をつぶるとして,とにかくそんな風にしてすごす時間と空間が,今の自分にはとっても大切なものになっている.
 その演出装置として,今まで犬のことは一杯書いてきたけれど,忘れちゃいけないのが火である.

 「火は5感の芸術である」 と,ある高名な歌人(まろさん)が言ったが,まさにそのとおりだと思う.
   目: やっぱり火は綺麗.色と形,その変化が絶妙.燃えはじめの元気な炎も良いし,ジワジワとくる熾火もまた良し.
   耳: 見た目に比べると地味だけど音も大事なんだなぁ.微かな音があるから,余計に静かさを感じる.火の状態によって色んな音が出るけど,虫の音みたいな 「ジジッ」 という音が好き.
   鼻: 実は木や葉っぱの燃える匂いが好きで,わざわざ煙の中に顔を突っ込んで深呼吸したりする.薪ストーブ好きの中には,わざと部屋の中に煙を逆流させて,香りを楽しむ人もいるらしい.
   肌: もちろん火は暖かいのだけれど,特に熾火になって安定した火室から受ける暖かさが格別.なんというか,暖かさをボワッとした圧力で感じる.
   舌: 焚き火で焼いたモノは何でもうまい...ってこれはコジツケか!

 いや,ほんと,たまりませんなぁ.
 でかくて,暖まるのが遅くて,薪の調達とメンテが大変で,,,便利さで言えば2重×なんだけれど.

 ところで,猫はもちろん犬もストーブが大好きだ.毛があっちっちになっても平気で真ん前に陣取っている.もしかしたら,こいつらは火が平気だったから人間と暮らせたのかな...なんてしょーもないことを思いながら,熱く火照った犬をなでている.

Tuesday, August 12, 2003

期待する犬

「期待する犬は暑苦しい」 と諺にも言いますが (ウソ)...
およそ計画というものを立てず,行き当たりばったりに行動するりん家でも,平日の生活パタンはわりと一定してます.だから家にいるとき,2頭の犬たちは次に私たちが何をするかをかなり正確に読んでいます.

で,週末に向けて遊びに出かけることが多いせいか,金曜の夜には何となく犬たちのテンションが上がっています (なんで曜日がわかるのか ???).
いつもの場所で寛いでるようでも,我々を追う視線にはいつもと違う気合がこもっています. こうなると,私たちも軽率な行動を慎まざるを得ません.

まず, 「よしっ」 という掛け声や,立ち上がるときの 「よいしょ」 がタブーになります.
やつらには,それが 「さあ,行こう!」 と聞こえてしまうようです.
うっかり口にしてしまうと,しばらく,鼻息を荒くした2頭のギャロップを見学させられるはめになります. まったくもって不本意なことです...

できれば無視したいのですが,こういうとき白黒という色は目障りでいけません.
うちの場合,これに白い猫が加わることがあって,そうなるともう最悪. 何が悲しゅうて,狭っ苦しい部屋の中でダレたハーディングを見物しないといけないのか...

これに対抗するには,ことさら 「どこにも行かない」 という気だるい雰囲気を演出して じっとしてるのが一番なようです.
そのうち,犬たちもあきらめてその辺にはべります.

このとき,なぜかやつらはこちらに背を向けます.
この背中がいかにも "残念ですなぁ" と物語っているようで,それはそれで小癪なのです. まぁそうやって我慢してくれてるんでしょうが,

それに,これでゆっくり寛げるかというとそうでもありません.
顔はあらぬ方を見ているようで,耳だけはビシッとこちらに向いてるからです.
ちょってでも声を出したり身じろぎしたりすると,次の瞬間には2匹の射るような視線が...

あー,やっぱ暑苦しい!

Monday, May 19, 2003

かわいいおばはん

誰が何と言おうと,近頃,りん姉はかわいい...

思えばりん姉,さんが来てからというもの,ちょいと調子が狂っていたようだ.
年がら年中ワサワサしてる上に,決して逆らいはしないけれど自分のペースを変えないさんに,どこかイライラしていたのかもしれない.
もともと要求は多い方だったと思うが,
それに加えて,喰えないと言おうか素直じゃないと言おうか,
とりたてて叱るほどではないけれど,こっちが鼻白んで "ヤだな" と思うポイントを,
痒いところに手が届くように押えてくるような犬になっていた.

(そー言われても何のことかわかりませんね.(笑) 
 まぁ例えば,言葉がわかってるのに聞こえないフリするとか,
 こちらが急いでるときにわざとグズったりとか,,,
 あ,そうそう,この間なんか,
 朝のトイレに連れ出すのを忘れた飼い主に向かって,
 真正面から目を合わせながらカーペットにオシッコするという,
 信じられないイヤガラセまでしたんだゾ,あーた!)

大抵は反則スレスレの巧妙な行為で,
こちらの怒りの持っていき場も無く,
牝犬も5歳も過ぎればオバハン化するということかと,
半分あきらめ,半分納得もしていたのだが,
最近,その彼女の態度が微妙に変わってきているのである.

どこか吹っ切れたと言おうか,人生を前向きに考えるようになったと言おうか,
それとも,何かをあきらめたと言うべきか,
さんの行動に目くじらを立てることが無くなり,
他の犬に対して唸るようなこともグンと減った.
食器を鳴らして満たされない気分を表明するのは相変わらずだが,その頻度もずっと減ってきている.

そして一番顕著なのが遊ぶとき.
これがもうやたら楽しそうなのである.
レトリーブ遊びのときなんか, 「おほほほほ〜,あたし,どうしちゃったのかしら〜♪」 という感じで,自分からピョンコピョンコ飛び跳ねている.
まるで子犬である.
これまでは,自分から遊ぶのを止めたり,
盛り上がってきたなと思いきや,急にしらけムードになって,
「止めましょうや,こんなこと...」 と言ってみたりしてたのにね.

遊びが終わって帰ってくれば,やっぱり無邪気にコテンと寝る.
このとき,背中やお尻など身体の一部をこちらにくっつけることが多くなった.
遊ぶときは遊ぶ.
寝るときは寝る.
甘えるときは甘える.
何となく,生活全般に気負いが無くなったような感じである.

きっと,さんとの関係を含めていろいろ考えた末に,
何か彼女なりに出した結論があるんだろうな−−−と思う.
でも,そんなことまでわざわざ気を回すのもバカらしいので,
ただただ,かわいいりんを堪能させてもらっている.

Friday, January 31, 2003

読書感想文2

ついでにもう一つ,ヘリオット先生から紹介させてください. 「ジョック」 というタイトルのお話です.

ジョックはある農家で暮らす痩せっぽちで貧相な牧羊犬.
現役の働き手であり,また優秀なシープドッグ競技犬でもあった.
そんな彼の愉しみは車追いであり,例えばヘリオット先生が農家から帰る時には,いつも決まって物陰に身をひそめ,発車と同時に猛ダッシュするのであった.

やがてジョックとメス犬の間に7頭の子犬が生まれる.親の血なのか教育なのか,この子犬たちが揃いも揃って車を追い始めるのである.先生の車には,大小入り乱れた犬たちが追いすがるようになる.

最初,余裕で先頭を切っていたジョックであったが,子犬たちが成長するにつれ,次第に自分のスピードが脅かされているのを感じる.ある日,足がもつれ子犬たちの疾走に巻き込まれ,あわや大怪我という事態まで起こる.それでも,プライドをかけ必死に先頭を守ろうとするジョック.
彼との駆け引きを楽しんできた先生は,そんな様を心を痛めながら見守る...

とまぁ,だいたいそんな風に話が進んでいくんですが,むしろストーリがどうのこうのというよりは,のどかな農家の情景を描いた,という感じの作品でした.

で,やっぱりこの話もいいなぁ〜と思ってしまうのです.
牧羊犬たちの暮らしていた世界を感じさせてくれます.

  車追いを 「やつの生きがいだな」 と笑ってすませていられる世界.
  嫌いな人間や犬や機械には無理して会わなくてもいい世界.
  家の周りに何気なく犬がうろついている世界.
  犬が仕事の余暇を楽しんでいる世界.
  そして,犬たちを見守るゆったりした温かい視線.

そりゃあ,人にとっても犬にとっても,食べていくためには今よりずっと厳しい環境だったたかもしれません.でも彼らはそんな世界で力を発揮するように作られ,人間の期待に応え続け,誇りを持ち,何世代にも渡って暮らしてきたんでしょう.

そんな彼らを,今の自分たちのものさしだけでアレコレ言うことが,何だかフェアじゃないような気までしてくるのでした.

Wednesday, September 25, 2002

さんという犬(2)  −或親馬鹿確信犯乃犬養育論−

彼は,生まれて2ヶ月半あまり,同胎兄弟と一緒に母犬の下で暮らしていた. 生まれたところはごく普通の家庭であるが,どこか根性のすわった飼い主さんのもと, 10頭足らずの犬たちが和やかに暮らしていた(どこが普通?(笑)). 兄弟たちは順に里子に出されていったが,彼ともう一頭だけは最後まで残っていた.
そんなわけで彼は,心が安定した母犬に顔を埋めながら, ボスや群の仲間にも見守られ,ゆっくりじっくりと幼年期を過ごしたのである. 実際のところ,幼年期の体験がどれくらい性格に影響するのかは知らないけれど, 少なくともここで心の下地が作られたのは確かである. その家から連れて帰るとき,初めての車旅行にも関わらず,彼はすでに落ち着いて見えた.

それからうちに来て,少々気難しい姉犬(りん)と,何かと犬に指図したがる子供と, 得体の知れない老猫と暮らすことになったわけだが, まぁ大過なく育ててきたように思う. 姉犬の場合,こちらが頼りなかったこともあって, 多少混乱させるような育て方をしたかもしれないけど, 愚息のときは,そんな場面も少なかったように思う.
子犬なんておよそ腹の立つことしかしないけれど, 怒りを表に出す必要なんてほとんど無いということや, かまいすぎることの害の方が大きいなんてことが, 自分たちなりに少しずつわかってきたからである.

要するに何が言いたかったかというと,良いか悪いかは別にして, こんな環境が彼のような性格を作るのではないかと思うのである.
思うにやつは,群の中での自分の存在とか,自分が愛されるということに, これっぽっちも疑いを持っていないに違いない. 素質と育った環境を糧にして,そういう 能力 を獲得したのだ.
だから,あえて人の気を惹くようなことをしたり, 気持ちを屈折させてイジケたり, わけも無く不安になってビクつくこともない. ただ,あるがままの自分を表現しているだけなのだ.
犬はみんな,もともと愛すべき性質を持っているという.
もしそうだとすれば,彼が 「おいしい」 のは単にそれをストレートに出しているからに 過ぎないのかもしれない.

ただし,彼がいつも素直かというとそんなことはない. 新しいことを教えようと必要以上に煽ったり, 興奮度の高い飼い主と犬を見ちゃったりすると, やつは 「切れた」 かのように興奮し, こちらの言うことにも耳を貸さなくなる. いや,耳を貸すとか貸さないとか,そんなことどうでもよくなっちまって, 彼も自分がコントロールできなくなるんだと思う. こうなると,私たちではもうお手上げである.
一瞬のこととはいえ,確かに彼にはそんな一面もある.
(余談だが,これを見て 「やる気」 がある犬ですねー,と言われると困る.)

これから彼がどんな風に変わっていくかはわからない. でもその辺さえうまく扱うことができれば,もうそんなに大きく間違わないで 育てられるんじゃないかと内心思っている.

え?今はどうしてるかって?
そりゃ,ギャンギャン吠えてるヤツの首根っこひっ捕まえて,ずるずる 引っ張ってきて,なるべく落ち着いた声で,「えーかげんにせーよ!!」

さんという犬(1) −或親馬鹿確信犯乃犬観察記−

愚息のさんはいわゆる出世犬であり,我が家に来たばかりのときは "ちゃん" (もしくはちゃんちゃん), 次いで "こぞー" となり,最近,りん姉をかばったナイトぶりが認められ,めでたく "わかぞー" に昇格した.

実を言うと,彼の性格にはわからないところも多いのだけれど, とにかく物ごとに動じないのは確かだ. 牛,海,車,花火,雷,変な人,知らない場所・・・何に出会っても およそビビるということを知らない.
他の犬に対しても,見ててヒヤヒヤするくらい無防備に顔を近づける. 子犬時代にガツンと叱られたことがあるくせに,それ以降も懲りた様子は無い. わかぞーになった今でも(まだ2歳前.成犬というには程遠い), 身体全体に好奇心をみなぎらせて寄って行く. 相手のウンザリした様子も気にならないらしい.

まったくの無警戒とか鈍感かというと,そうでもない. 新しいものに対しては慎重だし,実によく観察もしている. 遊びや運動には集中するし,こちらの言葉にもよく反応する. ただ,外部の状況に怯えたり惑わされるということがない. 要するに彼は,自分のペースらしきものをちゃんと持っていて,それを頑として崩さないのだ. (こういうのが,世に言うアルファの資質なんじゃないかと思うのであるが)

それから,何と言ってもこれが特徴だと思うのだが, いつも身体全体からユーモラスな雰囲気がにじみ出ている. 犬にほとんど感心の無い友人が遊びに来ても, 帰る頃には決まって 「この犬を見てるとなごむネェ」 となるから, この印象は贔屓目だけでも無さそうである. (ご存知の方も多いが,外観はでかくてゴツゴツだし,顔は怖いし, 動くと騒がしくて落ち着かないヤツなのだが)

どこがどう笑えるかというと,これが言葉ではうまく説明できない.
確かに,耳の形が寝癖みたく毎日変わるし(普通は,左耳だけ折れてる半立ち耳), 鼻の穴が白いし,後ろ足で頭のてっぺんを掻くし,何にでも腰掛けるから妙におっさん臭いし, 見た目もしぐさも十分おかしいのだが,そんなものはすぐに見慣れてしまう. やはり原因はオツムの中にあるようだ.
ただオツムとは言っても,彼の場合,残念ながらボーダーらしい聡明さから来る茶目っ気とか,ユーモア感覚みたいなものではなさそうである. 彼自身はいつもいたって真面目で真剣なのだ.
そして真剣になればなるほど,かしこまればかしこまるほど, 何ともいえないおかしみを振りまいてしまう.
これはもう 「おいしい」 としか言い様が無い犬なのである.

どうしてこんな性格なんだろうかと考えてみた.
そりゃもちろん,第一の原因は両親の性格(遺伝)だろう. 特に彼の男親には,そんな性格を髣髴とさせるところがある. でもそれだけじゃつまらないし,実際,それだけじゃないと思ってる.

続く

Thursday, May 30, 2002

看板犬

先日,あるサイト (たくボからもリンク貼らせてもらってます) を覗いてると, 「犬は毎日でかける家人の仕事を何だと思っているのか? いつもゴミ袋を持って出るので, ゴミ捨てが仕事だと思っているかもしれない」 という意味の文章がありました.

なるほどね〜,うんうん,そうかもしれない.
犬って群である家族の行動を彼らなりに理解しようとしているはず. 群のメンバーが毎朝どこかへ消えていくのって釈然としないだろうし, 一緒に連れていってもらえないことを胡散臭く思ってるかもしれない. 本当のところ,どうなんでしょうね?

テレビの 「犬番組」 はいろんな意味で苦手なんですけど, 娘が好きなもので,ついつい一緒に見てしまいます. そこでちょっと感心することもあって,それはいわゆる 「お店の看板犬」 みたいな犬たちです. よくあるのは,小さなお店の中のどこかに陣取り,やってきたお客さんを迎える役. 何に感心するって,彼らがほとんど例外なく 「良い犬」 なところです.

テレビの演出とかこっちの先入観もあるかもしれないけれど,自分の役柄をわきまえ, 不意に訪れた人たちをちゃんと客として迎えてる.
大声でしゃべるレポーターと恐ろしげな機材(カメラなんてありゃどう見たって凶器だよな) を担いだ取材スタッフがドヤドヤ入ってきても,節度を持って穏やかに対応してる.

もともとそんな性格の犬だけが看板犬になった?
それとも,家族の人が寸暇を惜しんで訓練に励んだ?
そうかもしれないけれど,でも,やっぱり違うような気がするんですよね. 自営業の人たちだから,忙しくって犬にかまけている時間なんか無い!ってケースの 方が多いと思います.

それで勝手に想像しちゃったんですけど,あの看板犬たち,家族が働くところを小さい頃から見てきて, 自分で自分のするべきことを見つけ出したんじゃないでしょうか? あの小さい頭で 「なんとか自分もお役に立ちたいもんだ」 なんてイッチョマエに悩んでたりしてね.
そして結局,そーいうのが人間と共生する犬ってもんではないかと思えてきます.

うちの場合,朝には家族が意味ありげに一人ずつ消えていき,その後10時間は何を するでもなく留守番しています. その間ほとんど寝てるみたいだけど,これなんか,犬の気持ちにとって結構キビシイ状況 かもしれないですね. 犬にしろ子供にしろ,家族の働いている姿をなんとなく見るというのも,大事なことではないかと思います.

「りんにもちゃんと役割を持たせたい」 な〜んて不遜なことを思いつつ, あっという間にもう4年も経ってしまいました.はて,どうしたもんやら...

Thursday, April 18, 2002

幸せなひととき

マンションのベランダにしゃがみこんで、下の小道を歩く人や、車や、散っていく桜や農作業しているおっさんを柵越しに見下ろす。
 「あ、変なオヤジが歩いてるぞ!」
 「春も終わりかねー」
なんて言いながら、
身体をくっつけるようにして一緒に外を見る。たった数分の時。

別にどこで寝ててもいいんだけどさ・・・って顔しながら、トイレやお風呂のドアの前でなんとなく寝そべる。ドアを開けたとき、あ、待っててくれたのね・・・って思う瞬間。

何にもない公園やあぜ道をプラプラ散歩しながら、ときどき小声で犬の名前を呼んでみる。
あっちこっちの匂いを取りながら遊んでいても、 「なんか呼んだ?」 って戻ってくる。
いや、べつに用はないんだけどさ、いい子だね。

仕事をしようと机に向かうとき、明らかに不満気な4つの目。
 「遊ばないの〜!?」
いつのまにか時が流れて、ふと気になって後ろに目をやると、そのままの場所で不貞寝している2頭。

キッチンのシンクに手をかけて、背伸びして私の料理を見ている。そりゃ、もちろん何かもらえないかとワクワクして見てるんだろうけど、結構真剣な顔で包丁のリズムを見てたりする。
おもしろい?

Friday, January 25, 2002

生き物と暮らす

「トイレのしつけ」 で悩んでるって話をよく聞きます。

こうすれば絶対おぼえる!なんてノウハウを知ってるわけじゃないので ちょっと違う目で見てみたら・・・というお話。

 トイレシーツを寝床だと思ってるやつ。
 上手にウンチができたのに、踏み荒らすやつ。
 ぜーったい家の中でするもんか!という頑固なやつ。
 お外を散歩中になんかしてたまるか!というあまのじゃくなやつ。
 ウンチやオシッコのついたシーツをビリビリにして食うやつ。
 ・・・・・・

笑いが止まりませんな。
まあまあ、普通の感覚からしたら悲惨な状況が目に浮かびます。

でもね、生き物と暮らす・・・家族に生きているものが増えるってことは、汚い部分も増えるってことだと思うのです。人間の子供だって、着飾って表へ連れ出して遊ぶだけじゃすまないでしょう?

  我が家の人間の子供は、生まれたときから便秘気味だったの。
  新生児のときから3日に一度出ればいい方。
  幼児期は2週間出ないときもざらにあった。
  おなかに溜めすぎたウンチは、普通に毎日出るのと匂いが違うのね。

  彼女が少し大きくなって、自力で頑張れるようになったとき、
  健康なウンチの匂いがいい匂いだと思った。
  この匂いが愛しく思えた。

確かに言葉の通じない生き物には、思い通りにならなくて腹の立つことも 多々あるんだけれど、そんな部分も含めて丸ごと受け止めてあげたい。
トイレで悩む頃は、犬の心が成長するとても大事な時期だしね。
悲惨な状況だって、ちょっと一呼吸おいて眺めてみれば、結構笑えるものです。

「犬たちは私にいろいろなことを教えてくれる。何年一緒にいても 常に新しい発見がある。そんな犬たちのウンチを拾わせてもらえるなんて 幸せ。」 とまで言った人がいた。

さすがにそんな心境にはなれないけれど、たかがウンチ、洗えばいいさ、と 嘯いてる毎日である。

うちの子たちは2頭とも,生後2ヶ月くらいから、平日はずーーーっと10時間もの お留守番。毎日の帰宅はスリルとサスペンスに満ちています。

...ずりっ... 「わっ!!ゲリ踏んだぁっ!!!!!」

Tuesday, November 20, 2001

盲目のゴルディ

 そうそう,この間,他サイトのBBSに投稿して思い出したんですが,りんと暮らし始めた頃,盲目のゴールデンレトリーバーに会ったことがあったっけな.

 早朝の誰もいない公園で,その子は姉妹らしき女性2人と一緒にボールで遊んでました. 最初は,「仲の良いパーティだな」 くらいにしか思わなかったけれど,すぐに犬の動きが普通じゃないことに気がつきました.

 ボールを高く放り投げても,その子は四肢を緊張させるだけで一歩も動こうとしません. 最初にボールが弾んだ瞬間,さっとボールの方向に向きを変え,その姿勢でまた神経を集中させています.2回目のバウンドでボールに突進し,また立ち止まって静止.これを何度か繰り返し,ボールがコロコロと転がりだした頃,ようやくキャッチし,嬉しそうに飼い主さんの呼ぶ方に戻ってきました.

 「そうか〜,この犬は音だけでボールを追ってるんだ!」

 それがわかると,この子の変則的な動きが理解できました.そして,神経を研ぎ澄まして音を待つ姿が,とてもかっこよく目に映りました.いや〜,それにしても,,,本当に楽しそうだったなぁ.

 飼い主さんとも少しだけ話をしました.
  ・・・目が見えないとわかったときはショックだった・・・
  ・・・でも犬の屈託のない様子に救われた・・・
  ・・・この子はもう一人でも生きていけるだろうけど,自分はわからないなぁ・・・
そんなことを淡々と語ってくれました.

 そう言えば,犬って誰かを羨んだり,運命を嘆いたり,お節介を焼いたりしませんよね.ただ,自分の人生を一生懸命生きるだけです.まぁバカと言ってしまえばバカなんでしょうが,真似しようったってそう簡単にできるもんじゃありません.実はとっても上等で潔い精神なのかもしれません.

 「犬はみんな天使です.」 そうおっしゃった飼い主さんは,やっぱり犬のようにまっすぐでイタズラっぽい目をされていました.

Thursday, September 20, 2001

読書感想文

 友人に教えられて,ヘリオット先生の本をいくつか読みました.ヨークシャ地方の獣医さんだけあって,牧羊犬がチラホラ登場してきます. 中でも,一話の短編が気に入ったので,ちょっと紹介したくなりました.


 「彼」 は,誰もが一目置く気難し屋の農夫. 牧羊犬の繁殖家/訓練士/競技者としても一流です.

 あるとき,彼は2頭の子犬を訓練していましたが,なぜか優秀な方(スイープ)を知人に譲ってしまいます.その犬たちが2歳を過ぎた頃,手元に残した方のジップが突然ケイレンを起こすようになりました.獣医である作者は,それがテンカンであり,完治できないことを彼に告げます.彼は悩みながらも犬を処分しようとせず,薬で症状を軽くするよう依頼します.
 作者は(人懐っこいジップを処分せずに済み)ホッとする一方で,それを,彼としては奇妙な決断であると感じます.

 なぜなら,その辺の農夫たちは, 仕事をさせる以外の目的で犬を飼うことを恥じていて,他人に知られたくないと思って いるばかりか, 愛はウィークポイントでもある とさえ信じているからでした.事実,彼も,一流の訓練士として 競技用シープ・ドッグの飼育調教に関しては鉄の意志を持って おり, 水準に達しない犬は,情容赦なく淘汰してきた のでした.
 そんな彼が,優秀な子犬を人に譲っただけでなく, 役立たずの犬を飼い続けようとしていた のですから,作者がいぶかしく思ったのも当然だったわけです.

 理由は簡単でした.もともとある考えを持っていた作者は,それは彼がジップに惚れてしまったからだと推測します.それはすぐに,次のような確信に至ります.

だからいまもって,私は持論に固執している.農場の犬だってペットであり,農夫はみんな犬が好きだから飼っているのだと思う.拷問にでもかけない限り,彼らはそうだと白状しないだろうが,私は自分の方が正しいと思う.

 面と向かって彼にそんなことを問いただせるわけもなく,作者が本当に正しいのかどうかは,最後までわかりません.
 ただ,この 「拷問にもかけない限り」 という一節に,農夫たちの頑固さと優しさとちょっぴりのユーモアが込められているようで,私にはなかなか良かったのです.
 ただし,このお話の本筋は,生まれてから一度も吼えたことがなかったジップが,トライアル大会で優勝したスイープに向かって,一生に一度だけ 「ワン!」 と吼えた,というエピソードにあります.もちろん,これもグッドでした.

 そのほか,この話の中にはチラホラと農場の犬たちの描写があります.引用していくとキリがなくて,結局全文を書き写したくなるんですが...

 私は牧場を訪ねると,まず犬を探すことにしている.犬がいれば,その近くに主人がいるからである.

 刈り入れの時,馬車の上にふらふらしながら立っている犬がいる.麦刈りの季節、乾した束のまわりでネズミを追っている犬がいる.牧草地を歩き回っていたり,牧舎のまわりを嗅ぎまわっている犬がいる.彼らはいったい,何をしているのだろうか?

 たとえば私が,診察のために牛を囲いに追い込もうとしていると,頼みもしないのに犬がやってきて,後ろ脚や尾に噛みついて仕事に加わろうとする.(中略) 犬は労働しているのではなく,彼らの人生を愉しんでいるのではないだろうか?

 私は,自分の犬が幸福であってくれといろいろ工夫するが,しかし牧場の犬の方がずっとずっと幸せである.

 互いに見知らぬもの同士だったが,居辛そうにしている犬はいなかったし,喧嘩をする犬もいなかった.この犬たちは従順で,おとなしいのである.

 ほれ,読んでてお尻のあたりがムズムズしてくるでしょ!?


Sep 20, 2001

太字部分は「愛犬物語」(ジェイムズ・ヘリオット著,畑正憲/ジェルミ・エンジェル訳,集英社)収録のお話 「ただ一度,ワン」 より.

Wednesday, August 01, 2001

りんの憂鬱

あたしは りん.
おもしろくないわね...

なにがって ぜんぶよ.
さんも ねこも パパも ママも みんな 気にいらない.

いちばん わるいのは バカおとうとの さん!
だいたい 24じかん あいつといっしょっていうだけで うんざりなのに,
ヘラヘラわらいながら 「ねえひゃん ほれほれー」 って あたしの目のまえを 行ったりきたりするの.
ず〜と むししてるんだけど あいつの顔が あんまりアホなもんだから, つい 「あっちいけ!」 って 相手しちゃうの.
そのあといつも ひどい じこけんお...

パパも さいきんは いそがしそうにしてて なんだかつめたい.
まぁ こっちから あんまり さそわなくなったってこともあるけど...
だって もう 「あそぼ あそぼ!」 って としでもないし.
この前なんか さんのよだれで じまんのカラーがガビガビになったとき,
「きたない! よるな!」 なんて言うの.
きずつくなぁ〜.

ねこもわるい. 
ねてばっかりのくせに ごはんは いっぱい たべる.
いちばん あたまにくるのは あたしが ねこににてる っていわれること.
ま, どーでも いーけど.

りさちゃん?
もう しょーがないじゃない.
パパも ママも 仲よくしなさい って言うし...
泣かすの やめたわ.
それに りさちゃんも 女としては まだまだだけど わりと でりかしぃあるしね.

まぁ とにかくよ.
どいつもこいつも おもしろくないわけよ.

はい もう おわり.
あっちいって.