Saturday, April 03, 2004

遠い道のり

ご主人が 「お前の名前が決まったよ」 と告げたときから,あたしは Jess と呼ばれるようになった.
ほわいとろおず・じぇす...これがあたしの名前.

その頃あたしが何してたかというと,お気に入りの農場でかけっこしたり,ねずみを追っかけたり,羊のにおいを嗅いだり,仲間とレスリングしたり,ご主人と遊んだり,,,まぁ何ていうのかな,とにかく悪くない毎日だったと思う.
先のことはよくわからないけど,あたしも大きくなればここで働くんだろうなとぼんやり思ってた.

ある日,ご主人があたしを木製の箱に入れて車に載せた.
初めてのドライブが珍しくてキョロキョロしてたんだけど,気がついたらヒコーキという乗り物の中にいた.

ヒコーキには仲間もいないし,お気に入りの庭やねずみや寝わらもなかったし,その上音がうるさくてとても居心地が悪かった.
長い長い時間が経って,もしかしたらこのままず〜っとここで暮らすのかな? なんて心細くなってきた頃,ようやくクーコウというところに到着した.

クーコウに降ろされてすぐ,箱の金網ごしに知らない人たちと対面した.
その人たちはときどき箱の前に現れてあたしを覗き込んだり,箱ごと別の建物に運んだりした.
そこでは色んな人が行ったり来たりしてたけど,みんなとても忙しそうで,やっぱりあたしは一人ぼっちだった.
ここもとても疲れるところだった.

2時間くらい経ってから,またさっきの人たちがやってきて, 「さ,帰ろうか」 と言って箱ごとあたしを車に載せた.
それからもう一度長い時間ドライブしてある建物についた.その建物はとても大きかったけど,中に入ると狭くてごちゃごちゃしていた.
部屋の中には大きな犬が2頭と真っ白な猫がいて,あたしを不思議そうに見てた.

これからここで暮らすのかな?
それともすぐに農場に帰って元のように暮らせるのかな?
考えたってわからないし,クタクタに疲れたから寝ることにしよっと...


...と,いうわけで,また新しい仲間を迎えることになりました.
着いた当初はさすがにビクビクしてたけど,どこかしたたかさも感じさせてくれる頼もしい女の子です.
これからどんな子に育っていくのか,そして私たちに何を見せてくれるのか,とても楽しみにしています.

とにかく...よく来たね,Jess!

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