Sunday, September 25, 2005

ぐれぐ先生

フと思ったんですが,こいつオレを教育してるつもりなんじゃないだろうか・・・


(ぐれぐ独白)

じゃ "かみ方" おしえたげるから.
いい? 見てる?
このホネはね,口に押しこんで,こうやってガシガシするんだ.
ほら,あがあがあがあがあが
はが〜,はが〜
あ,よそ見しちゃダメだよぅ.

じゃあ次はこっちの木でいくから,ちゃんと見ててね.
ほら,まえばでチ〜ってやって,かわをはぐんだ.
そうやっといてぇ,一気にガシガシガシガシガシ.
コノヤロッ,コノヤロッ!
がるるるる・・・・

あ,まだおわってないのに,そっち行っちゃだめだよ.
なんだ,ソファにすわるのか.
よ〜し,んじゃ今度はソファカバーでいくよ.

こうやってぇ,こうやってぇ,コブ作るでしょ.
これをほおばって,おもいっきりすうんだよ.
んぐんぐんぐんぐ・・・

あ〜,行っちゃだめだって.
いいからずっと見ててよ,これあげるからさぁ.


(参考: 大阪のぐれぐ)

ほな "かみ方" おしえたるさかい.
ええか? 見ててや.
このホネはな,口に押しこんでな,こうやってガシガシするんや.
ほらな,あがあがあがあがあが
はが〜,はが〜
こら,よそ見したらあかんで〜.

ほな次こっちの木いくさかい,ちゃ〜んと見ときや.
ほらな,まえばでチィ〜てやって,かわむいたるんや.
ほんでぇ,一気にガシガシガシガシガシや.
おんどりゃ,おんどりゃあ!
がるるるる・・・・やんけぇ

こら,まだおわってへんのに,よそ行ったらあかんがな.
なんや,ソファかいな.
よっしゃ,ほんならソファカバーいてこましたろ.

こやってな,こやってな,コブ作るやろ.
これほおばってな,めっちゃすうんや!
んぐんぐんぐんぐ・・・やんけぇ

こら〜,行ったらあかんゆーとんのに.
ええからずっと見ときぃな,これやるさかい.

Tuesday, August 16, 2005

煮干し作戦

私の子供の頃,下町には必ずといっていいほど野良犬がいました.
まだ沢山残っていた原っぱや空き家やお宮さんの広い敷地などをねぐらにしていました.
野良犬と子供たちの生活圏は不幸なくらい一致していたのですが,不思議と事故はありませんでした.お互いに見て見ぬ振りしながら,何となくうまくやってたのでしょう.
でも大体,犬は子供が嫌いだったんじゃないかな?
普段から騒がしいし,中には石持って追いかけるヤツまでいたしね.

今から思えばのんびりした風景ですが,それでもすでに野良犬の生活は厳しかったようです.どいつもこいつも痩せっぽちでしたし,彼らが産んだ二世には出会った記憶がありません.(牛乳ビンと一緒にダンボールに入った子犬はよく見かけましたが)

そういえば 「野犬狩り」 なんてのもありましたね.犬を引っかける道具を持った作業員が,トラックで地域を見回っていました.
私,あーいうのは子供にも見せた方が良いと思うんですよ.
痩せ犬がひっつかまってトラックに詰っ込まれるシーンなんか目撃すると,そりゃあもうえらいショックです.
でも激しく感情を揺さぶられたら,自分で何かを考えずにはおられません.

私は野良犬が好きでしたので,いつもポケットに煮干を忍ばせて,彼らを見かけるたびに辛抱強く手なずけていました.
思えばそれは,本来彼らが備えるべき人間に対する警戒心を奪ったり,あるいは,飢えた相手に対して失礼な態度だったかもしれません.
もちろん当時はそんなことまで考えるはずも無く,とにかく彼らに接したい一心でした.
自分でもちょっぴり偉かったなと思えるのは,相手がどんなに汚くても厭わずちゃんと触れていたことです.

私は犬との接し方を彼らから学んだ気がします.警戒心の強そうな子の時は,ちょっと斜め向きにしゃがんで,相手が近づいてくるのを待って手の甲で肩に触れるというのが自分流の挨拶でした.それでしばらく一緒にいてくれる子もいれば,プイッといなくなるのもいました.
これが "正しい" やり方かどうかは知りませんが,少なくともケガをしたことはありません.だいたい,人間が嫌いな子は最初から近づいてきやしませんでしたしね.

あ,そういえば一度だけ,すっかり気を許してくれたように見えた犬が,いきなり私の胸に歯を突き立て,そのまま走り去っていったことがありました.
彼の見せた一瞬の敵意は,犬の扱いに慣れた気になっていた自分にとって本当に意外で,服に開いた穴を見つめたままボーゼンとしてました.
今もって,彼がなぜそんなことをしたのかわかりません.
でもその鋭い胸の痛みと, 「これでまたやり直しやん〜」 と頭の中でつぶやいて泣きそうになったことは,今でもよく覚えています.
これも,私の大切で貴重な経験です.

白状すると私は,街ン中に野良犬くらいいたっていーじゃんって,今でも思っています.
誰のものでもなく,囲われても繋がれてもいない犬と対等に交流できる機会を,今の子供たちにも残してやれないものかと.
不安なもの,怖いもの,いらないものを社会から締め出すのが世の習いですが,それらを最初からまったく知らないというのも,危なっかしいような気がします.

・・・あぁ,だめだっ,またスラスラヌケヌケとうそ書いてる ^^;
ほんとは子供らのことなんかこれっぽっちも考えてないくせに〜.
はい,すんません,ただ 「いたっていーじゃん」 って思ってるだけです.
さすがに今となっては,野良犬と一緒に遊びたいとは思いませんが,街角で出会った彼らと何食わぬ顔ですれ違いたいもんだと思っています.そんなけです.

余談ですが,街でうろつく野良犬は,生きるのにカツカツで人を襲う元気も体力もなかったし,そんなリスクを犯すほどバカでもありませんでした.
今も昔も,人を襲うのは繋がれっぱなしで体力を持て余した半分神経症の飼い犬ですし,襲われるのは動物とのつきあいの配慮を欠いた人間です.

Thursday, August 04, 2005

草刈りしながら思ったこと

 この頃,毎週と言っていいくらい草刈りしてます.
 梅雨や台風の雨で元気一杯の雑草たち.
 もはや手で引くなどという生易しい状況ではなく,草だか木だかわからないようなやつを,刈り払い機でバリバリぶった伐っていきます.刈ってもすぐにまた茂ってくるので,この時期,作業に終りはありません.

 朝夕の涼しい時間帯でも,30分で汗だくです. (←このぉ軟弱者っ!)
 ただ,しんどいだけでもなくて,作業中は頭をからっぽにできるし,一休みして征服した場所を眺めるのは良い気分です.もしかしたら新しいスポーツにできるかも.
 (誰かかっちょいいウェアでもデザインしてくれないかな?)

 無節操に生えてるかのような雑草たちですが,一度刈った場所では前と違った種類の草が繁っていたりして,ちゃんと棲み分けしています.
 きっと,発芽のタイミングや日光のちょっとした加減などで,デリケートな力学が働くのでしょう.虫や小動物たちも大いに影響を受けてるはずです.

 そうやって生き残りゲームに懸命な草や虫たちを,ガーガーとうるさい道具でなぎ倒していくってんだから,やっぱり人間ってぇのは乱暴なもんじゃねーですか.
 その一方で,姿を変え形を変えて再生してくる雑草を相手にしてると,人間のやることなんて多寡が知れてるという気がしてきますし,それがビミョーに嬉しかったりもします.

 よく, 「人間は自然に対して大きな力を持つようになった」 と言いますが,私には全然そんな風には思えません.だって天災の類にはほとんど無力なままだし,第一,自分の身体ですら,誕生とか寿命とか健康とか免疫とか本能とか,大事なところはまったく意のままにできないのですから.

 例えば 「自然破壊」 という言い方がありますが,これからして人間の思い上がりとゆーか,随分と手前味噌に聞こえます.人間に自然が壊せるもんか,ただ単に自分たちが住みにくくなるだけじゃねーか・・・って.
 そして,それすらもコントロールできないでいるのだから,私たちはもっともっと進化して賢くなる必要があるのでしょう.何世代かかるかわかりませんが.


 ところで話は飛びますが,最近,「もったいない」 が日本独特の表現だとかで注目を集めていますが,私は 「里山」 というのもなかなかのもんではないかと思っています.
 ひょっとしたら世界に誇れる文化ではないかと.
 ちゃんとした定義は知りませんが,シバや山菜を採ったり,キノコを作ったり,炭を焼いたり,子供が沢で遊んだり,,,ちょっとだけ人の手が入った山裾あたりの雑木林です.

 山で暮らす動物たちとの緩衝地帯であり,交流地帯でもある所.
 広葉樹たちが茂っていながら,地面にまで日光が届く所.
 妖怪やお化けたちがどこかに隠れていそうな所.
 犬たちが目と鼻を輝かせて探索する所.

 個人的にはですよ,例えばわざわざ熱帯まで出かけて行ってマングローブを植樹したりするのはどーもピンと来ないんですが,土地と折合いをつけていく里山方式だって立派な環境運動だと思うんです.自分たちが暮らすために,,,というところがまっとうな感じがします.

 いつの頃からか自然は,どこかに大事に "保存" しておいて,たまに出向いて "触れ合"ったり "満喫" したりするものになってしまったのですが,私たちはもう一度,自分たちこそ自然そのものであり,それ以上でも以下でもないことを肝に銘じるべきではないでしょうか.

 どこにでもあった里山も,最近は開発されるか,人手が不足して荒れていくところが多いようです.今の進化段階にある人間がそこそこ上手く暮らしていくためには,そこそこイケてる知恵ではないかと思うのですが・・・.

 そうそう,フェンスで囲ったドッグランも良いのですが,里山を育んで人や犬に開放するってぇのはどーざんしょ?

Monday, May 16, 2005

なめなめ

夜,ソファで寛ぎながら,今日犬と遊んでやったっけな?・・・そういえば忙しくて昼にトイレに出してやったきりのような・・・それでも文句も言わずおとなしくしてんだから偉いよなぁ・・・,なんてとりとめもなく考えてたら,不覚にも青二才と目を合わせてしまった.

てっきり向かいのソファで眠りこけてると思ったのに,こっちの考えてることがわかったんだろうか?
この男に期待を抱かすとロクなことはない.
あわてて視線を逸らせて 「お前のことなんか気にしてない」 という体を装う.

逸らせた視線の先はただの壁.
しょうがないので,しばらく壁の汚れでも見つめてみる.
さすがに自分でもバカバカしくなってきたとき,壁の向こうで不審な音がした.

どこからかネズミでも忍び込んだのだろう,このところ毎日のように天井裏や壁の内側で何かが走り回る音がする.
不思議なことに,小動物と見れば目の色を変えるうちの犬たちが,揃いも揃ってこの音には無関心である.単なる雑音として無視してるのか,それとも少しは気にして聞き耳くらいは立ててるのだろうかと,つい青二才に目をやってしまう.
げっ,しまった,まだこっち見てやがった!

「違うっ! 頼むから勘違いすんな」 と強く念じて再び目を逸らしたが遅かった.
首筋がしゃんと伸び,目が真ん丸になり,尻尾がソファを叩きだす.

「すちゃっ」と爪の音をたててソファから降りた.
愛情を疑わず自信満々の犬が伸びを一つ入れて胴をくねらせながらこっちに来る.
そのままひざに前手をかけ,あごの下に頭をねじ込んでくる.
甘えてるだけなのだが,力が強い上に骨がごついからとても痛い.
あーもうわかったから止めてくれ〜・・・

唐突にやつの動きが止まる・・・,いか〜んっっっ!!
もう見なくてもわかる.
鼻を膨らませ,目を潤ませてこっちを覗き込んでいるに違いない.
勝手に気分を出して情感を昂ぶらせているのだ.

案の定,今度はこちらの肩に両前足をかけ,少し首を傾げて顔を舐めはじめた.
ごつい身体に剛毛の青二才であるが,舌だけは変に滑らかである.
しかも舐め方はソフトで丁寧ときている.
美形ならともかく,強面の犬にこれをやられると妙に気持ち悪い.

薄目を開けるとやつのうっとりした顔が目に入る.
そんなもん見たくもないと,あわてて下に目を逸らすと,今度はちょっと充血してテラテラしたやつの男根が目に入ってしまう.

「ほんとは嬉しいくせに」 なんて思ってる人にはバチがあたるでしょう.
確かに青二才は良いやつで好きなんですが,これは本当に迷惑です.
ああ,神様,一体これは何の罰なんでしょうか?

Monday, March 07, 2005

大歓迎

いつのまにやら単身赴任の身になっていて,4頭の犬たちに会うのは1週間おきです.
仕事を終えてから2時間ほどドライブするので,家にたどり着くのはどうしても夜になります.
(8時過ぎには静まり返ってしまう田舎ってやっぱりすごい!)

普段からこの時刻には,犬たちも居間に入って思い思いに寛いでいます.
せっかくの静けさを破りたくないので,できるだけそ〜っとドアを開けるのですが,すでに気配を察して "来たんかぁ!?" 状態になっていた犬たちが,一斉に飛びついてきます.
正直,お行儀は最悪ですが,この揉みくちゃの出迎えも捨てがたい.
ドライブの疲れがすっと消えますもん.

どの子も全身で歓迎してくれるのですが,個性豊か(勝手気ままとも言う)な犬たちゆえ,その作法はさまざまです.
正面に陣取って最高の "良いお顔" を作りながら鼻を鳴らす犬.
その周りを駆けながら隙を見て正拳突きを入れてくる犬.
さらにその周りをギャロップしながら 「ごぅわろぉぉぉ」 と変な声を上げる犬.
そして情けなや早や一週間で顔を忘れたのか,周りに合わせて尻尾は振るものの,前手を踏ん張って警戒している犬.
(・・・さて,誰が誰でしょう?)

攻め方はいろいろですが表情は似ています.
ペタリと後ろに倒した耳,尻に巻き込みながら腰ごと振る尻尾,頭を下げながらチラチラとこちらを伺う目つきなどなど.
へいへい,犬でござい〜と恐縮しつつ,それでもやっぱり嬉しいから身悶えしちゃうといった風情です.
自分でも変だと認めますが,この屈折感が犬らしくていいなぁと思っています.

それにしても,犬ってバカですな.
損な性分と言いましょうか.
開けっぴろげに気持ちを表現したりするから,そこを見透かされて痛い目にも遭ってきたろうに.
猫みたく澄ましてた方が,もっとちやほやしてもらえたかもしれないのに.
そんなに人間が好きなのかねぇ?

と言いつつ,まんまと篭絡されてしまうバカな人間もいるのだから (少なくともここに一人),損は無いのかも.