Monday, May 14, 2007

春の風

日曜夜11時.
慣れない部活に疲れた娘が早々に寝室に引き上げ,昼間のゲストの応対に疲れた犬たちはクレートに入って眠りこんでいる.
同じくゲスト応対...とゆーかビールの後に羊を追い掛け回して気持ち悪くなったHiroさんは呆然としている.
本当だったら物音一つしないはずの居間に,隅のクレートからごご,ずご,ごごご,というおっさん臭い音が響いてくる.
一ヶ月ほど前から加わった新入りのイビキである.

というわけで紹介します.
カイラ(Caoire)という7ヶ月齢の子犬.
いつもは犬のことなんか何にも言わず愛想もクソもないブリーダーが,珍しく雄弁に "she is small but tough" と一言書いて寄こしたとおりの鉄砲玉のような娘である.
先住犬たちにもまったく物怖じせず,全身を「?」にして何にでも鼻を突っ込み,眠るとき以外は決して止まらず,機を見て飼い主の懐に飛び込んでくる,ひじょーに子犬らしい子犬.

顔は...大変申し訳ないが...ぶちゃいく.
この若さにしてすでにこすっからい悪党顔だ.
でも誰かさんと違って,視線をまっすぐこちらに向けてくれるからうれしい.

意図したわけではないが,結果的にはりん姉と入れ替わるような形になった.
その他にも身の回りのいろんなことが重なり,いよいよファーム暮らしの第2フェーズが始まるんだろうという予感とともに飛び込んできた新しい風.
爽やかな涼風じゃなく,黄ばんで生暖かい風だったけど.

ところで,鉄砲玉がファームで最初に心を奪われたのが...ぐび穴.
オリジナル版は制作者の気質そのままにダラダラと広がっていったが,彼女はあくまで地球の中心に向かって鋭く掘り下げていく.
そう言えば彼女の行動のすべてがそんな感じ.
無尽蔵の集中力と体力が,小さな身体に詰まっている(と良いなぁ).

部屋に入れようと声をかけると,穴から上げた鼻面(というか穴から引っこ抜いた頭全体)にべったりこびりついた泥がまぶしい.
「乾くまで入るなっ!」って,子犬のうちから締め出される犬も珍しいよな.