Tuesday, January 02, 2007

ぐびちとぐび穴のあやしい関係

どうも~,ぐれぐです.
よろしくな.

この冬はあったかいなんてゆだんしてたら,さすがに寒くなったね.
きのうなんか,せなかにぞくっときたと思ったら土間でちびっちまったよ.
いつもはがまんできるのに,ざまーないね.

オレは,寒いからといって部屋でゴロゴロなんかしない.
やること一杯なんだから.
ごはん食べたり,ウンチ出したり,外で走ったり,部屋で遊んだり,出かける家ぞくを見おくったり,客を迎えたり,そんなのだけでも大変なのに,たまにはニワトリにカツ入れなきゃいけないし,ネズミの匂いをとったり,外の見張りもこなさなきゃいけない.
そうやって数えてくと,1日ってすごくたくさんのことがつまってるんだけど,それがふと気がつくと何日も何十日も何百日もすぎちゃってたりする.
なんかだまされたような気がするけど,ま,世の中,そういうもんかもね.

2かいに住んでたまっしろい猫や,ケンカっぱやいガングロ羊たちがいなくなって,そのかわり,がーがーしゅーしゅーうるさい鳥がいたりして,いつのまにかファームのメンツが替わってる.
オレをけっ飛ばしやがったアホ面のにしきだけは,あいかわらず,ず~っと草を食みつづけてるけど.

そーいや,にしきにけっ飛ばされたオレはからだも小さかったし,ジャンプも低かったし,おしっこの回数も多かった(と思う).
このオレとはぜんぜん違う.
あれだけこわかったりん姐さんも,気がつけばオレよりチビになってる.
なんとゆーか,なんだかかわいく思えちゃったりするんだよね,わるいけど.

そんなことを考えだすと,あたまがグルグルしてくる.

つまり,オレがオレだと思っているオレは,ほんとにオレだったんだろーか?ってね.
もしかしたらそいつは,オレよりからだがちっこくて,ジャンプが下手で,おしっこの近い別のオレだったのかもしれない.
まっしろな猫がいるファームと,まっしろな猫がいないくて変な鳥がいるファームって,同じものなんだろうかそれとも別なんだろうか...
オレが両方のファームにいるんだから同じかな...ってそうか,そのオレとこのオレは違ってるかもしれないんだから,それはわからないのか...
う~ん???

思いきって聞いてみたら,オヤジはこう言った.

「それはさーぐれぐ,きっと "とき" のせいだよ」

とき? なんだそりゃ?
それってどこにあるんだ? 食えるのか? 匂いは?
いきおいこんで質問すると 「犬には "とき" はわからんのだ」 と言ってにげるんだけど,オレは,オヤジが困ったようなあせったような表情をするのを見逃さなかった.
そうか,それはきっととてもだいじなもので,どこかに隠してあるにちがいない...

だからオレは庭を掘る.
前あしで,ばっばっばっばっばっばっばっばっばっばってね.
それ見てオヤジはやっぱり困ったような顔をするから,たぶん "アタリ" だ.
きっと何か隠してる.
ほらもう少し,ばっばっばっばっばっばっばっばっばっばっ...
穴はすごくでかくなって,オレのからだがすっぽり入るくらいになった.
そのうち,前あしがいたくなって舌がでろんと出ちゃうけど,あたまがグルグルするよりはずっと気分がいい.

そういえば,穴ぼこってたしかにそこにあるんだけど,見ることもさわることもできない.
知ってたか?
もしかしたら "とき" ってこの穴ぼこみたいなものかもしれない.
そうだ,これをどんどん大きくしていったら,"とき" がどんなもんかわかるかもしれない.

よーし,もっともっと掘るぞー.
忙しいから,またな.